ISAS流 パソコン活用術 1997.6 No.195

No.195
1997.6

ISASニュース 1997.6 No.195

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最終回 「インターネットとISASホームページ」

三浦 昭

はじめに

 今回は,パソコンをここまで普及させた立役者かも 知れない,インターネットのお話です.暫く前までのインターネットは telnet ftp ,電子 メール等が主でした。ところがWWWが登場した辺りから状況は一変します。WWWの火付け役とも言える, Mosaic なるものが登場した頃,私はそれを目にしてあっけに取られてしまいました。その麗しい画面にではありません。表示する内容(コンテンツ)を毎度はるばる海を越えて取り寄せているという事実にです。こんなネットワークを酷使するソフトを一体誰が使うんだ,と。
 結果は皆さんご存知の通りです。ネットワークは日常的に酷使され,私自身もすっかりWWW使いと化してしまいました。今やインターネットがWWWの代名詞となり,パソコンがその主役となりつつあります。
 その気になれば誰でも世界中の情報を得て,誰でも世界中に情報を発信できるという,かつてない時代になっています。

私を見て

 お蔭様で宇宙研内のホームページ数も増え(細かく分類すれば,30を越えています),ISASホームページ 自体も少なからぬ訪問者数を記録しています。しかし,ひとたび作成者側に回ってみると,WWWの ユーザは非常にシビアです。興味がなければすぐに見放されてしまいますし,面白いページでも暫く更新されないと,もう訪れてくれなくなります。例えば一昨年のISASホームページ開設後,同サーバへのアクセスは千件程度から緩やかに増えていました。そしてSFU回収の前後にアクセスは急増,今年のM-Vロケット打上げの際は,1日だけで4万件(!)近いヒット数を数えました。そして現状は,1日当たり5,000〜6,000件といった所で落ち着いています。
 WWWのコンテンツ作りは内容とデザインと更新頻度が物を言います。幸い宇宙研は,皆が興味を持ってくれるような素材の宝庫です。パソコン用のコンテンツ作成ツールも様々なものが揃っています。経験のない方もコンテンツ作りに挑戦されてみては如何でしょうか。我こそはと思う方の力作を歓迎します。

見ちゃいや……

 WWWのコンテンツは世界中に見せなければならない訳ではありません。  例えば私が関わっている仕事では,開発者用の文書をWWWサーバ上に置いて,アクセス権を持つ者だけが自由に文書を閲覧できるようにしています。これなら書類が散逸する心配もありませんし,文字コードの違いを気にする必要もありません。しかも関係者は好きな時に最新版の情報を手に入れられる訳です。

遊んでる訳じゃありません

 WWWを使っていると遊んでいると思われてしまうかも知れませんが,今やWWWなしには仕事にならない分野も現れています。
 WWWの何が便利かと言えば,1種類のコンテンツを用意しておくだけで,ワークステーション,パソコン, ゲーム機(?!)の別を問わず,同様の画面を表示できるところにあります。それまで機種毎に専用ソフトを用 意していたのに比べると,これは画期的なことです。世界中のデータベース等のサービスが,次々とWWW対応となりつつあるのも無理はないでしょう。 現に宇宙研に蓄積されたサイエンスデータも,理研に移られた根來さんを始めとした関係者の方々の尽力により,WWW対応のデータベースに生まれ変わろうとしています。
 その他,対象は様々ですが,キーワードを入力するだけで該当する文献やデータ,記事等を探してくれる便利なページが沢山あります。例えば「イーサーネット」と「イーサネット」,どちらを使うべきか悩んだ時,皆さんならどうしますか?

おわりに一言

 ちょっと残念な話ですが,情報の洪水に紛れてパソコン用のウィルスもWWW経由で世界中に感染経路を広げています。お使いのブラウザのセキュリティ関連の項目をチェックして,危険なウィルスを読み込まないような防衛策をとっておくことをお勧めします。あとはもう,皆さん次第です。思う存分インターネットを活用して下さい。そして,思う存分パソコンを活用して下さい。

(みうら・あきら)


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