【地球電離圏・磁気圏】

 地球大気が太陽光などで電離したガス状のプラズマ大気を含む領域を電離圏(電離層)と呼び,地表から50〜60 km以上の高度に存在する。電離圏は地上付近からの電波を反射する為,ラジオ電波を受信出来るのも,長距離無線通信が可能であるのも,電離圏が地球全体を取り囲む様に存在するからである。電離圏より外側,高度数百km以上,かつ,図1のマグネトポースより内側で地球固有磁場の影響が及ぶ領域を磁気圏と呼ぶ。磁気圏内の地球磁場は吹き付ける太陽風の圧力の影響で大きく歪められ,太陽と反対方向に引き延ばされている。一方で,太陽風は地球磁場に阻害され容易には磁気圏に侵入出来ないので,磁気圏中のプラズマ密度は太陽風より小さい。つまり太陽風が満たす惑星間空間の中に,プラズマが少ない空洞状の磁気圏が彗星の尾の様な形状で存在している事になる。
(平原聖文)


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