原子や分子が正電荷のイオンと負電荷の電子に分離したガス状の気体を電離ガスと呼び,その中でも更にいくつかの条件(正イオンと電子からなるガス全体の総電荷量が0,つまり電気的に中性である,等)を満たしたものをプラズマと言う。宇宙空間中の物質は殆どプラズマ状態であり,太陽コロナから高速で流れ出す太陽風プラズマもその1例。
太陽風プラズマも気体の一種なので,その中を「音波」より速く運動する物体の回りには衝撃波が生成される。太陽風は平均的には450 km/秒の速度で地球に吹き付け,一方で「音速」に対応する速度は約80 km/秒であるので,太陽風プラズマは地球にとっては超音速の電離ガスの流れであると言える。身近なものに例えると,地球は太陽風プラズマと言う空気中を飛翔する超音速ジェット機となる。また,マッハ数(音速に対する物体の飛翔速度の比で,超音速とは1以上の状態を言う)は5〜6が典型的。