53天文観測:大気の窓(77秒)

天文観測の展示では、エックス線天文衛星や赤外線天文衛星に関連する展示物がならんでいます。

どうしてわざわざ宇宙空間に衛星を打ち上げて宇宙を観測するのでしょうか。それは地上ではできない観測をするためです。

星や銀河をはじめ、宇宙のさまざまな天体は、私たちの目に感じる光つまり可視光線だけを出しているわけではありません。

中には可視光線を出さずにエックス線だけを強く出している天体や、赤外線でしか観測できない天体もあります。

宇宙を理解するには人間の目に感じない波長の光を含めていろいろな波長で観測することが必要です。ただ、ガンマ線、エックス線、波長の短い紫外線は大気に吸収されてしまうため地上に望遠鏡を作っても観測することができません。

地上で観測できない波長の光は、大気の薄い上空か宇宙空間から観測するしかない、というわけです。