42小惑星イトカワの微粒子(80秒)

「はやぶさ」が2010年に地球に持ち帰った微粒子のひと粒を、顕微鏡でのぞけるようになっています。

イトカワの微粒子は、よくある隕石と同じ成分で、地球上にある岩石とは明らかに異なるものです。私たちはふだん、地球上の物質に取り囲まれて生活していますが、ここで観察できるのは正真正銘の地球外物質です。

肉眼では見えるか見えないかの小さなもので、粒子のサイズは60マイクロメートル、細い髪の毛の幅くらいの大きさです。

鉱物はカンラン石で、ガシャンと割れた破片のような、鋭い輪郭をしています。これはイトカワになる前の世代の天体で、天体どうしの衝突が起こっていたことを示しています。

地球のような惑星ができる前、微惑星とよばれる小さな天体が無数にただよっていた時代には一体どんなことが起こっていたのでしょうか? 微粒子ひとつひとつを研究することで、太陽系の謎解きが続いています。