15熱構造モデル(「はるか」バス部)(96秒)

金ぴかの大きな箱に見えるのは、本物と同様に作られた人工衛星の一部です。金ぴかに見えているのは、宇宙空間での激しい温度差から衛星を守っている熱保護膜。よく見ると網をはさんで膜が何重にも重ねて使われています。

ここで展示しているのは、熱構造モデルと呼ばれるもので、地上試験のために本物そっくりに製作したモデルです。

人工衛星は、打上げる前にたくさんの試験をします。例えば、宇宙環境で機器がどんな温度になるのか、打上げる時の振動に衛星本体や機器が耐えられるか、などを確認するのです。

ここに展示しているのは、1997年にミューファイブロケット1号機で打ち上げられた電波天文衛星「はるか」のバス機器の熱構造モデルです。バス機器とは、電力、通信、姿勢制御といった衛星として機能するための基本的な部分です。

人工衛星にはバス機器の他に、ミッション機器が搭載されています。ミッション機器とは人工衛星の用途のために必要な機器で、科学衛星の場合は観測などの科学データを収集する機器のことです。