09M-Vロケット 上段(132秒)

展示室内で最も存在感のある展示、ミューファイブロケットの上段部分で、実機です。ただし、搭載されている「はやぶさ」は模型です。ロケットにのせられる探査機のサイズ感をご確認ください。

そのほかの部分はすべて、実際に打ち上げるために作られた実物です。フェアリングと呼ばれるロケット先端のカバーを半分にした状態で、3段目・4段目などロケットの中の構造が見えるように展示しています。

ミューファイブロケットの全長はおよそ30メートルです。建物の外に展示している太いほうのロケットがその全体像です。展示室内では、ぜひロケットの実物に近づいて、手を伸ばしてやさしく触れてみてください。

性能のよいロケットを作るには、ロケットをいかに軽く作るかがカギをにぎっています。黒っぽい色をしているところは固体燃料を収めるモーターケース。この素材はCFRPといって、炭素繊維を組み合わせた樹脂を使っています。金属で作ると重くなってしまうので、いかに軽く、強く、熱にも耐えるものを作るかという研究で生み出されてきた独自技術です。

またロケットの近くで、フェアリングの一部を持ち上げてみる体験もできるようになっています。

ミューファイブロケットは固体燃料ロケットとしては世界最大級かつ最高性能のロケットでした。2006年の打上げを最後に引退しましたが、ミューファイブロケットの開発で獲得したロケット技術は、現在活躍しているイプシロンロケットの上段部分へと活かされ、さらに進化を続けています。