07内之浦宇宙空間観測所(117秒)

ロケットを打ち上げる場所のことを射場といいます。発射の射に場所の場と書きます。
国内にある射場は、内之浦と、種子島。どちらも鹿児島県にあり、東側は太平洋、広い海に面したところです。

内之浦は九州南部の大隅半島、鹿児島県の肝付町(きもつきちょう)にあり、鹿児島空港からは車で2時間ほどのところに位置しています。宇宙科学の発展を支えてきた歴史ある射場で、東京大学鹿児島宇宙空間観測所として開所したのは1963年のことでした。

この地は、かつて糸川英夫先生がロケット発射の場所を求めて全国を行脚し、選んだ場所です。1970年に日本初の人工衛星「おおすみ」の打上げに成功して以来、数々の科学衛星が内之浦から宇宙へと旅立っていきました。

内之浦では現在も、イプシロンロケットの打上げ、観測ロケットの打上げを行っています。また宇宙にいる衛星と通信するためのパラボラアンテナがいくつかあり、衛星・探査機の追跡や、データの受信などが行われています。

展示では内之浦宇宙空間観測所の全体像がわかるジオラマがあります。山を削って造成した世界的にも類をみない射場の姿、ロケットが発射される台地とその背後に機能的に配置された建物などをジオラマでもご確認ください。