運用中磁気圏尾部観測衛星 GEOTAIL

地球周辺空間において、物理現象の起きている現場で直接観測を行う磁気圏尾部観測衛星。
地球磁気圏尾部の構造とダイナミクスおよび磁気圏の高温プラズマの起源と加熱・加速過程を明らかにするため、日米の共同プロジェクトとして研究開発、運用を行った。

小型高機能科学衛星「れいめい」

磁気圏尾部観測衛星GEOTAILは、1992年7月24日に米国フロリダ州ケープカナベラルからデルタ-Ⅱロケットで打ち上げられた日米共同プロジェクトの衛星です。主な目的は、
「磁気圏尾部ではどのように磁場のエネルギーが変換され、イオンや電子の加速が行われているか?」「磁気圏尾部に存在する多様な波動はどう関わっているか?」「磁気圏尾部のプラズマはどのような起源をもち、どのように輸送されているか?」といった謎を解く手がかりを得ることでした。

この目的の達成のためにGEOTAILプロジェクトでは、物理現象の起きている現場で直接観測を行い、地球周辺空間における巨視的な構造と微視的な物理過程を、粒子分布関数、電場、磁場、波動など総合的な観測を行うことによって理解するという方針で、機器を開発し打上げました。

機体データ

名称(打上げ前) GEOTAIL
国際標識番号 1992-044A
開発の目的と役割 地球磁気圏尾部の構造とダイナミクスの研究
ISTP(太陽地球系物理学国際共同観測計画)への参加
打上げ日時 1992年7月24日
場所 ケープ・カナヴェラル(アメリカ・フロリダ州)
ロケット デルタ2
質量 1009kg
形状 直径2.2m、高さ1.6mの円筒状
長さ6mの磁気計センサー用伸展マスト2本および長さ50mのアンテナ4本を備えている
軌道高度 近地点57000km 遠地点20万km
軌道傾斜角 29度
軌道種類 楕円軌道
主要ミッション機器 ・磁場観測機器
・電場観測機器
・2組のプラズマ観測機器
・2組の高エネルギー粒子観測機器
・プラズマ波動機器
運用 最初の2年間は、遠地点を地球の夜側に保って磁気圏尾部の遠い領域(地球半径の80倍から220倍)を観測するため、二重月スウィングバイ軌道をたどるように計画された。そして1994年11月半ばに遠地点が地球半径の50倍まで下げられ、次いで1995年2月には、地球近傍の尾部におけるサブストームの過程を研究するために、地球半径の30倍まで下げられた。近地点は地球半径の約10倍にされ、黄道面に対する軌道傾斜角は、冬至の頃に探査機が遠地点で磁気面尾部の中性面にあるようにするために、マイナス7度になっている。

以上のような軌道計画は非常に成功し、地球半径の10倍から220倍までの磁気圏尾部の領域が詳細に調べられた。またこの軌道のおかげで、近地点が昼間側にある時に昼間側の磁気圏界面をかすめることができた。1997年6月には、探査機が昼間側の磁気圏界面のすぐ内部にくる確率を高めるために、近地点を少し下げて、地球半径の9~9.5倍にした。地球半径の9倍(近地点)と30倍(遠地点)という軌道は、マグネトシース、湾形衝撃波及びその上流域をいずれも詳細に研究することを可能にしている。
観測成果 地球規模でオーロラが突然明るく輝き始める原因について、オーロラ電子の源であるプラズマシートで、いくつかの大きな手がかりを発見した。各国の衛星と協力して、爆発的なエネルギーの解放現象である磁気リコネクションの起こる場所やタイミングについて多くの新事実を見つけ出している。