今わかっている限りでは、そういうものはなさそうだね。なぜ「なさそうだ」ということになるのか、ちょっと難しくなるけど、もう少し詳しく説明しよう。

ブラックホールに関しては、理論的予想、観測的実証という、科学的に不可欠な両方の観点から、ほぼ間違いなく実在すると考えられている。一方で、ホワイトホールは理論的な予想は試みられているのだが、今のところ安定して存在し続けるような答えは、知られていない。さらに観測的にもホワイトホールの存在は見つかっていないのだ。その意味で、「存在する」と結論するための重要な部品、つまり「予測」と「実証」の両方とも欠けているわけなんだ。

さらに、「ブラックホールの裏側にホワイトホールがある」というのも、「予測」「実証」ともに、まだ存在しない。しかし、だからといって、「そんなものはない！」と結論するのも難しい。
将来、誰か天才が現れて「理論的予測」をし、技術の進歩で「観測的実証」がなされる、そんな日が来るかも知れないね。あるいは、ホワイトホールよりももっと奇妙な天体が見つかるかも知れない。１０年、２０年後、どんな新しい発見があるんだろうか？わくわくするね。