今までの質問と答え
スペースシャトル(無重力)の中で鳥を飛ばすと、どうなるんですか?

2001.6 S.H. 12歳・男・千葉県

残念ながら、これまで実際にスペースシャトルの中で鳥の飛び方を観察したことは、まだないようだけど、短時間の無重力での実験はいくつか報告されているよ。航空機を使った実験で、特殊な飛び方(パラボリックフライト:放物線飛行と言う)をすると約20秒間ほどの無重力状態をつくることができるんだよ。ただし、無重力の前後に10数秒間の過重力(無重力とは逆に、地球上での1Gよりも大きな重力、実際には約2G)の状態がある。

セキセイインコは、無重力になるとバック転しながらクルクル飛んだんだ。
ハトは、パラボリックフライトで重力がだんだん少なくなってくると、0.6Gのところで羽根を広げ、0Gになると飛び立ち、インコと同じようにバック転でクルクルと回ったり、頭をむちゃくちゃに振りながら飛び回ったりしたそうだよ。バック転は、目隠しをして、視覚からの情報をなくしたときもよく見られるようだよ。どうしてこのような飛び方になるのかはまだよくわかっていないんだ。

2001年3月に役目を終えたミール宇宙ステーションでは、飛べない鳥の実験の例があるよ。宇宙で孵化したウズラのヒナ(ひよこ)は、鳥かごに入っていたので、鳥かごの格子をつかんで、不自由なく歩き回れると期待されていたのに、そうはいかなかったんだ。どこにもつかまることができずに、休みなしに羽ばたきながらバック転しつづけるばかりで、エサにもたどりつけず、宇宙飛行士たちは、ヒヨコが飢え死にしてしまう前に安楽死させてやるほかなかったということだ。

鳥以外にもいろいろな生き物が無重力でどんな動き方をするのかは興味のあるところだね。これまでに観察されたセキツイ動物の実験例の一部は、講談社ブルーバックス「宇宙実験最前線」の3章にまとめてあるんだって。もっとくわしく知りたいならば読んでみてね!



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