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大気球実験B14-01 終了

平成26年8月22日(金)午前4時27分に、微小重力環境での液滴列燃焼の観察を目的としたB14‐01実験として、平成26年度第一次気球実験の1号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積300,000 m3(直径91 m)の大型気球で、毎分およそ300 mの速度で上昇しました。

気球は、放球2時間35分後に大樹航空宇宙実験場東方約40kmの太平洋上において高度38.6kmで水平浮遊状態に入りました。午前7時12分に指令電波を送信し、微小重力実験機体を気球から切り離しました。微小重力実験終了後、機体はパラシュートを自動で開傘させ無事に緩降下しました。また、気球及び制御機器部は、機体切離し5分後、午前7時17分に指令電波により切り離し、海上に緩降下させました。これらの気球 を含む実験機器は、大樹航空宇宙実験場東方約35kmの海上に着水し、午前9時00分までに回収用ヘリコプター及び回収船によって回収されました。

本実験は、高高度から実験機を落下させて微小重力実験環境を確保する技術を実証するとともに、微小重力環境を用いて燃焼現象の素過程の解明を行うものです。本実験は予定どおりに行われ、その間、約30秒間微小重力環境を得ることができました。また、燃焼実験の様子について高速度カメラによる撮像に成功しました。今後は、回収したデータを地上で詳細に解析し、微小重力実験の成果については、さまざまな研究分野において利用していくとともに、燃焼実験の成果については、エンジンの効率向上など省エネ技術に役立てる予定です。

放球時の地上気象状況は、天候:曇り、風速毎秒1.0 m、気温:摂氏18度でした。

また、本実験をもちまして平成26年度第一次気球実験は終了となります。ご協力いただいた関係者の皆様に深く感謝いたします。

大気球実験B14-01の画像

放球台にセットされた観測装置と、JAXA格納庫内にてヘリウムガスを充てんされた大気球。

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放球直前のB14-01号機

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放球直後のB14-01号機

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2014年8月22日

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