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惑星分光観測衛星「ひさき」搭載の次世代電源系要素技術実証システム(NESSIE)の状況について

「ひさき」のオプション搭載機器として次世代衛星電源の革新を目指し、次世代電源系要素技術実証システム(NESSIE)(※)の実証実験を行っています。
本実証実験では、
 ・高効率多接合薄膜太陽電池アレイシートの軌道上特性の取得
 ・リチウムイオンキャパシタ(LIC)の軌道上保管特性の取得
を目的として、軌道上データの取得をしていたところ、11月2日にLICへの補充電が出来ない事象の発生を確認しました。

LICについては、「ひさき」の運用期間(1年間)中に放電特性の取得を計画しています。データ取得に必要な充電容量は既に満たされているため、上記のデータ取得には影響しない見込みです。しかし充電機能が復旧しない場合、延長運用時に計画の「繰り返し充放電特性の取得」は実施できない可能性があります。

事象発生の原因については現在調査中です。

  • ※ 次世代電源系要素技術実証システム(NESSIE)の概要
    次世代の高性能小型衛星用電源の実現に向けて、キー技術の実証を目指したオプション実験。以下の2つの先端的技術を、実際の宇宙環境で実験し、その有効性を実証予定。宇宙科学研究所と研究開発本部が共同で実施している。
    • (1)「高効率薄膜太陽電池セル」実証実験
      実証目的:従来の太陽電池と比べて、発生電力質量比が一桁良い新しい太陽電池セルで、また、薄いフレキシブルなシート状であるため、搭載の自由度が高まると期待される。
      実証状況:評価用太陽電池セルの軌道上特性変化を取得中(1年間継続予定)
    • (2)「リチウムイオン・キャパシタ(LIC)」実証実験
      実証目的:広い動作温度範囲を持ち、リチウムイオン二次電池よりも劣化が少なく、長寿命であり、長期ミッションへの適用が期待出来る。
      実証状況:自然放電特性の長期トレンドデータを取得中(1年間継続予定)

2013年12月20日

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