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大気球放球実験B09-02終了

2009年6月18日(木)3時58分に、硬X線領域でのカニ星雲の偏光度と偏光方向の測定を目的としたB09-02実験として、2009年度第一次気球実験の3号機を連携協力拠点大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積300,000m3の大型気球で、およそ毎分300mの速度で正常に上昇しました。

気球は、放球8時間後に大樹航空宇宙実験場東方約250kmの太平洋上において高 度38.5kmで水平浮遊状態に入りました。その後気球は3時間弱の間、西北西に飛 翔し、14時45分に指令電波により観測器を気球から切り離しました。

切り離した観測器は十勝沿岸白糠町沖合15 kmの海上にパラシュートで緩降下し、16時15分 までに回収船によって無事回収されました。

今回の実験は、2006年度に三陸大気球観測所で行われた実験よりもX線偏光 度検出器の規模を2倍にして、カニ星雲からの硬X線偏光測定を目的とした観測を 行いました。偏光度と偏光方向の測定では、取得できた観測データ量が少なかっ たものの、検出器が成層圏上空で正常に動作することを確認できました。今後観 測データの詳細な解析を進めると同時に、より長時間の観測をさまざまなX線天 体に対して実現していく所存です。

放球時の地上気象状況は、天候:曇り、風速:毎秒0.5m、気温:摂氏9度でした。

本実験をもちまして2009年度第一次気球実験を終了します。ご協力いただいた 関係者の皆様に深く感謝いたします。なお、2009年度第二次気球実験につきま しては、8月中旬からの実施を予定しています。

屋内にてヘリウムガスを注入中の大気球

屋内にてヘリウムガスを注入中の大気球

放球直前

放球直前

上昇中の大気球B09-02号機

上昇中の大気球B09-02号機

2009年6月19日

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