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大気球放球実験B09-03終了

2009年6月3日(水)4時09分に、気球搭載望遠鏡のシステム性能試験と金星大気観測を目的としたB09-03実験として、2009年度第一次気球実験の2号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積100,000m3の大型気球で、およそ毎分300mの速度で正常に上昇しました。

気球は、放球4時間後に大樹航空宇宙実験場東方約120kmの太平洋上において高度32.6kmで水平浮遊状態に入りました。その後気球は西方に飛翔し、11時16分に十勝沿岸沖合20kmにおいて指令電波により観測器を気球から切り離しました。

切り離した観測器は、大樹航空宇宙実験場東方35kmの海上にパラシュートで緩降下し、12時02分までに回収船によって無事回収されました。

本実験で取得されたデータから、金星大気の長時間連続観測を目指して開発を進めてきた成層圏に浮遊する望遠鏡の基本設計の妥当性が確かめられました。太陽電池による発電及び充電池の性能等の基礎的な情報や、搭載された姿勢センサーによってゴンドラ精密姿勢制御技術を検証するための必要なデータが得られました。金星大気の観測には至らなかったものの、今後得られた映像データ及び回収された観測器内に記録されたデータの詳細な解析を進め、極域での気球搭載望遠鏡による本格的長時間惑星観測の実現を目指す所存です。

放球時の地上気象状況は、天候:曇り、風速:毎秒1.5m、気温:摂氏10度でした。

放球台上に設置された観測器と、ヘリウムガスを注入中の大気球

放球台上に設置された観測器と、ヘリウムガスを注入中の大気球

大気球B09-03号機の放球のようす

大気球B09-03号機の放球のようす

2009年6月3日

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