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グラスト(GLAST)国際ガンマ線天文衛星打ち上げ

日本も参加しているグラスト(GLAST)国際ガンマ線天文衛星は、6月12日1時5分(日本時間)、アメリカ合衆国:ケープ・カナベラル空軍基地の17-B打ち上げ台から、デルタIIロケットで高度560kmの円軌道に打ち上げられました。

GLAST(Gamma-ray Large Area Space Telescope)衛星は、米国、日本、イタリア、フランス、スウェーデン、ドイツの協力で開発された、大型の国際ガンマ線天文衛星です。ガンマ線は、電波から可視光、さらにはX線に至る「電磁波」の中で最高エネルギーを持ち、宇宙の激しい活動を明らかにする上で欠かせない波長です。GLAST衛星は、これらの天体が出すガンマ線を、毎日、全天余すことなく監視し続けます。

このGLAST衛星に対して、広島大学、東京工業大学、東京大学、JAXAの宇宙科学研究本部(ISAS)の研究者が、1995年から、衛星の開発に参画し、特に、GLAST衛星の主検出装置であるLarge Area Telescopeのシリコン検出器を担当するとともに、打ち上げ前の較正実験を行い、今後もデータ解析や運用に参加する予定です。

ガンマ線は宇宙線の加速、巨大ブラックホールが出すジェット流、謎に包まれたガンマ線バースト現象などで強く放射されると予測されています。また、暗黒物質の有力な候補となっている粒子が反粒子と組み合わさって対消滅(ついしょうめつ)する際にガンマ線が放射される可能性も提唱されています。

ガンマ線の観測結果は、X線や電波の観測と関連付けて解析することで、宇宙物理学を大きく進めると期待されます。日本でも、大学や研究機関の連携のもと、多くの関連分野との共同研究に向けた態勢を整えています。
例えば、日本のX線天文衛星「すざく」は、激しく時間変動を起こす巨大ブラックホール、ガンマ線バースト現象などを、GLAST衛星と同時に観測することを計画しています。
国際宇宙ステーションの日本モジュール「きぼう」に設置予定の全天X線監視装置MAXIの天体X線観測チームは、ブラックホールや中性子星の周りで起きる「フレアー」現象をGLAST衛星のガンマ線観測と合わせて総合的に解析することで、それらの背景にある基礎過程の理解が進むと考えています。
また、電波望遠鏡NANTEN2を運用して分子雲の研究を進める名古屋大学を中心とする研究チームは、銀河系内の宇宙線が巨大分子雲と相互作用して生成すると考えられているパイ中間子の検出に大きな期待を寄せています。
さらに、広島大学の「かなた」望遠鏡、東京工業大学の「MITSuME」望遠鏡など、日本の幾つかの天体望遠鏡は、GLAST衛星によって検出されるガンマ線バースト現象やガンマ線領域での突発現象天体を追跡観測する準備を整えています。
また、データ解析の一番基礎になる、地球に降り注ぐ宇宙線が作るバックグランドを、日本の宇宙線グループが開発してきた計算機プログラムを発展させることで予測しようと準備しています。

日本のGLASTチームのホームページ
新しいウィンドウが開きます http://www-heaf.hepl.hiroshima-u.ac.jp/glast/glast-j.html

NASAのGLAST衛星のホームページ
新しいウィンドウが開きます http://www.nasa.gov/mission_pages/GLAST/main/index.html
新しいウィンドウが開きます http://www.nasa.gov/mission_pages/GLAST/news/gamma_vision.html
新しいウィンドウが開きます http://www.nasa.gov/centers/goddard/news/topstory/2008/gamma_vision.html

主検出器Large Area Telescopeの性能など
新しいウィンドウが開きます http://www-glast.stanford.edu
新しいウィンドウが開きます http://www.nasa.gov/glast

ロケットの先端部に格納されたGLAST衛星(NASA提供)

ロケットの先端部に格納されたGLAST衛星(NASA提供)

2008年6月12日

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