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2006年5月末現在の「はやぶさ」探査機の状況について

「はやぶさ」は1月末に交信が復旧した後、キセノン・コールドガスによる姿勢制御を実施し、3月上旬に地球指向を完了しました。(すでに報告済みです。)

以来、太陽から多少ずれた地球方向にある角度をたもった姿勢を維持すべく、定期的に姿勢制御を実施し、中利得アンテンでの日々の交信、運用を実施してきました。
3月から4月中旬までかけて、探査機内の揮発性ガスの排出(ベーキング)を実施しました。実際には、明確なガスの排出は確認できませんでしたが、探査機を今後経験するであろう最高の温度まで昇温できたため、実質的にベーキング作業は完了できたものと考えています。
その後、連休前から連休後にかけて、2台のイオンエンジンB、Dの駆動試験を実施しました。試験結果は、良好で、放電状態も問題のないことが確認されました。性能もイトカワ到着前と変わりありません。
エンジンCは、個性として低温時には加速電源が発振気味になることや、TWTAの起動特性に温度依存性があり、探査機が近日点付近に再度近づく来年1月付近まで、運転試験を延期することにしました。問題はないと考えています。
地球帰還の飛行には、イオンエンジンは2台運転ができれば十分たります。帰還に必要なイオンエンジン運転用のキセノンガスも、現時点では足りるものと考えています。
先々週から先週にかけて、スピンダウンをイオンエンジンを加速運転下で実施しました。加速運転時の方が圧倒的に性能がよく、ガスの消費量を削減できるためです。現在のスピンレートは、0.2rpm(周期約5分)です。
現在、「はやぶさ」探査機は、交信と運用には問題はありませんが、いくつか検討を要する比較的大きな問題があります。その検討には、地上試験や比較的長期の飛行履歴の調査を要するため、現時点では正確な状況をお知らせすることができません。あらためて説明やリリースの機会をもちたいと考えていますので、ご理解をお願いします。
探査機は、とても正常な状態ではないため、帰還も楽観的ではありませんが、今後も精一杯、努力をして参ります。

「はやぶさ」プロジェクトマネージャー 川口淳一郎

2006年6月1日

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