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トピックス

S-310-35実験班・アンドーヤ便り

現地時間12月5日にノルウェーでオーロラ現象と大気の運動の観測を予定しているS-310-35実験班より、ノルウェー、アンドーヤからの報告が届きました。(画像をクリックすると大きな画像を見ることができます)
観測の詳細についてはこちらから

※画像の撮影者:奈良岡 秀晃(撮影者を記載してある画像をのぞく)

現地時間12月14日(火)

打上げのムービーが撮れました。暗くなってしまったのですが、音ぐらいは楽しめると思います。
ムービーはこちらから
アンドーヤロケットレンジのホームページはこちら

現地時間12月13日(月)

午前1時33分(日本時間12月13日午前9時33分)に打ち上げ、S-310-35号機ロケット実験は終了しました。
発表文はこちら

現地時間12月12日(日)

<午後3時30分>
タイムスケジュール入り(3時間前)しました。現在曇り・気温2℃、風は昨日よりも弱いように思いますが、時折強い風が吹きます。
こちらの天候は、ここ最近、風や雪や雨が降ったりやんだり短い周期で変わります。今も雪が舞ってきました。
<午後6時30分>
現在、気象/観測条件待ちで、1時間30分前でホールドしています。
周期的に変わるので何ともいえませんが、現在アンドーヤでは、地上風は治まっているように思います。
<午後10時>
現在アンドーヤは風はなくなり、星も見えています。
本日は、ARRとEISCATの協力を得て、打上げウインドウを延ばすこととしました。
今マイナス1時間30分からカウントダウンしています。マイナス30分ぐらいまで進め、観測条件待ちのホールドになると思われます。
<午後11時40分>
マイナス10分でホールドしてます。観測条件待ちです。もう1時間少しぐらいは粘りそうです。

現地時間12月11日(土)

強い西風により安全な打上げ条件を確保できないと判断したため、本日の打上げは12日の午後6時〜午後10時(日本時間13日午前2時〜6時)に延期しました。

現地時間12月10日(金)

前日に引き続き台風並の低気圧が停滞しており、ロケット打上げに適さないため、本日の打上げは11日の午後6時〜午後10時(日本時間12日午前2時〜6時)に延期しました。

こちらはすごいスピードで昼が短くなっています。11月下旬に来たときは、朝食を食べる8時には明るくなり始めたのですが、現在(12月10日)は、9時を過ぎてようやく明るくなってくるという感じです。明るいといっても、太陽は水平線の下にありますので、日本の昼のようには明るくはありません。
ここアンドーヤは、小さな街で娯楽施設もありませんし、食事が唯一の楽しみかもしれません。しかし外食は結構高いので、気をつけないとすごい勢いでお金が減っていきます(大きなハンバーガーにポテトとドリンクで100 クローネ程度:1kr=18円)。私たちは通常、朝昼晩とARRの食堂で食事をとります。食事を少し紹介しますと、朝はライ麦のようなパンに、スライ スハム、チーズ、シリアル、野菜、それに飲み物がミルク、オレンジジュース、アップルジュースあたりが毎日の定番。これが毎朝変わりなく続いています(たまにスクランブルエッグとベーコンなどでると喜んでいます)。昼、夜はこれにもう一品何かつきます。トナカイのステーキやシチュー、鯨のシチューなどご当地の食材もいただきました。

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ビッグハンバーガー
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食堂の定番メニュー
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鯨のシチュー
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また、持参した日本の食材を使い、若い方々を中心にカレーをつくったり、おにぎりをにぎったりもしています。感想は個々にお任せするとして、こってり系の食事が多いので、カロリーが気にかかるところです。そのような食事の後は運動もできます。
地下にはビリヤード、卓球、ランニングマシーンなど運動器具もあり、卓球で連夜熱戦を繰り広げている方もいました。また運動後の汗を流すサウナもあります。
現在は打上げ体制に入っていて、毎日夜の作業となっており、きちんと食事や運動ができないことがありますが、なんとか工夫して寒い冬の地で打上げに向けてがんばっています。
アンドーヤに来てすでに15日たちますが皆さんまだ元気そうです。今日は皆様の元気そうな写真も送付します。

現地時間12月9日(木)

台風並の低気圧が接近し、ロケット打上げに適さないため、本日の打上げは10日の午後6時〜午後10時(日本時間11日午前2時〜6時)に延期しました。

現地時間12月8日(水)

電離層の電子密度が十分に上がらなかったため、本日の打上げは9日の午後6時15分〜午後10時15分(日本時間10日午前2時15分〜6時15分)に延期しました。

現地時間12月7日(火)

地上観測点の天候回復の見込みがないため、本日の打上げは8日の同時間帯(日本時間9日午前1時〜5時)に延期しました。

現地時間12月6日(月)

観測条件が整わないため、本日の打上げは7日の同時間帯(日本時間8日午前1時〜5時)に延期しました。

現地時間12月5日(日)

地上観測点の一つスキボトムの天候回復の見込みがないため、本日の打上げは6日の同時間帯(日本時間7日午前1時〜5時)に延期しました。

現地時間12月4日(土)雪 1℃

本日は悪天候のため、ランチャを出しての電波テストは行えませんでしたが、屋根の一部を解放しテストを行いました。その後ランチャ周りケーブルの養生、全機導通チェックを行い、本日の作業は無事終了しました。ロケット本体は保温のため発泡スチロールで、全体を覆われました。明日、天候そのほか観測条件が整えば打上げとなります。

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電波テスト
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シーケンスチェック
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ランチャ
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保温カバー
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現地時間12月3日(金)

休日

現地時間12月2日(木)晴れ マイナス1℃

本日朝、頭胴部をモーターアセンブリールームへ移動し、ロケットの全段結合を行いました。その後、台車に載せランチャまで運ばれ、無事ランチャ装着終了しました。こちらの方に言わせるとISASのロケットはほかの国のものと比べて、とても美しいので撮りごたえがあるとのことです。

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頭胴部移動
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結合作業
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全段結合
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移動準備
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ランチャ搬入
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取付け作業
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ランチャ取付け
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現地時間12月1日(水)曇り マイナス1℃

昨日の雨風はやみ気温が下がってきましたが、夜にはまたオーロラも現れました。
本日の動作チェックは順調に終了しました。動作チェック後、開頭コーンが取り付けられた美しい頭胴部の姿が現れました。

<打上げまでのスケジュール>
12月2日(木)全段結合
12月3日(金)休日
12月4日(土)電波テスト(リハーサル)
12月5日(日)打上げ X=17:00
        (x=17:00−21:00(日本時間6日1:00))

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動作チェック
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導通チェック
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開頭コーン取付け
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ロケットの頭胴部
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今日のオーロラ(撮影:太刀川 純孝)
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現地時間11月30日(火)雨 1℃

曇っているせいかもしれませんが、朝は朝食を済ませた9時近くになって明るくなってきます。2時過ぎには暗くなります。日に日に昼の時間が少なくなっているように感じられます。本日までのところ、作業は順調に進んでいます。

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準備中のロケットモーター
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準備中のロケットモーター
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巻き取り機の取り付け
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今日は技術的な情報以外にも、ARR(アンドーヤロケットレンジ)の施設を紹介します。

ARRは、ノルウェー北部(北緯69度)に位置し、オーロラ観測に適した地域にあります。700以上のロケットを打ち上げ、70以上の研究機関の研究者が利用しているとのことです。アンデネスの空港より4km程度、車で10分ぐらいで到着します。北側は海に面し、西から南側には急峻な岩山がそびえています。

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アンドーヤの地図
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コントロールセンター
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飛行場の管制塔のようなコントロールセンターが特徴的なメインビルディングは施設の職員のオフィスや食堂、ミーティングルーム、テレメトリーステーションなどもあり、宿泊棟ともつながっています。

この施設は最近改装したらしく、木を強調したデザインはシンプルでとてもきれいです。部屋も個室で各部屋有線LANを完備し、プチホテルのようで心地よく過ごせます。僕にとっては予想外の快適さでした。

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テレメトリーステーション
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食堂での朝食風景
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室内の様子
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そのほか利用施設では、頭胴部組み立て作業等を行うラボラトリービルディング、徒歩5分程度離れたところに は、20tの打上げ能力を持つランチャーやロケット組み立てを行うモーターアセンブリールーム及び併設して打上げ時にイグニッションコントロール等を行うブロックハウスがあります。みなさんこの道を車で一日何往復もして作業を行っています。

メインビルディングの海側には、PIの方々が使用するUSOC(User Science Operation Center)、南側の山の山頂には、地上の観測装置とともに、中層大気に関する情報を集めるため使用されているALOMA観測施設があります。

さすがに雪国だけあって、すべての施設の暖房設備が整っており、東京のように寒い部屋に帰るなんてことはありません。打上げまでこれらの施設で作業進めることとなります。

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ラボラトリービルディング
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ブロックハウス
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現地時間11月29日(月)

本日の天気は曇りで気温も上がり、雪が解け地面が見えるところもでてきました。午後からは、予報通り強風となり、ドアの開閉をはじめ外での移動は注意が必要な状況でしたが、本日の作業は無事終了しました。

<打上げまでのスケジュール>
11月30日(火)ヨーヨー本組、イグナイター組付、開頭コーン本組
12月 1日(水)動作チェック、タイマテスト
12月 2日(木)全段結合
12月 3日(金)休日
12月 4日(土)電波テスト(リハーサル)
12月 5日(日)打上げ X=17:00
         (x=17:00−21:00(日本時間6日1:00))

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ロケットの頭胴部組み立て
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機器のチェック
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観測打ち合わせ
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USOCの前で
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現地時間11月28日(日)

本日PIの方々が無事到着しました。長旅ながら皆さん元気そうです。これで、予定されていたメンバーが全員ロケットレンジにそろったことになります。ここから打上げにむけて一段と加速してゆくことと思います。

現地時間11月27日(土)

まだ完全には時差ぼけがなおっていない頭で、朝ミーティングをして、開梱作業を開始。組み立て室で2度の停電もありましたが、みんなで力を合わせて作業を続け、本日の作業は無事終了しました。16時過ぎには、幸運にもオーロラが出現し、そのときばかりは、みんな外に出てきて氷点下の寒さも忘れデジカメで写真をたくさんとっていました。

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アンドーヤ実験場
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ロケットの開梱作業
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オーロラ出現!(撮影:太刀川 純孝)
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オーロラ出現!(撮影:太刀川 純孝)
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現地時間11月26日(金)

難なく、朝オスロを発ち、ボード経由、アンドーヤのロケットレンジの最寄り空港アンデネスへ到着、14時前には射場へ到着できるはずでしたが、ボードまで行ったところで、乗る予定の飛行機が突然キャンセルされてしまい、12人のうち、5人が2時間遅れの便で出発、5人は、別の空港からバスを乗り継ぎ射場へ、最後の2名に至っては、代替機が見つからずボード空港で延々と待たされ、結局ロケットレンジ到着したのは夜10時を過ぎていました。先着組もスーツケースとはぐれ、到着情報についても錯綜したため、皆冷や冷やしましたが、なんとか一日無事乗り切ることができました。

現地時間11月25日(木)

日本を出発し、同日付、コペンハーゲンを経由し、無事最初の宿泊予定地オスロに到着しました。スカンジナビア航空の機内食のボリュームに圧倒されていたはずですが、ホテルに21時すぎ到着後、元気な方々は、食事をしに街に出かけていきました。

2004年12月14日

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