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S-310ロケットを用いて、12月5日にノルウェーでオーロラ現象と大気の運動の観測を予定
1.実験の概要
(1)ロケット名 : S−310−35号機
(2)ロケット全長 : 7.4m
(3)ロケット全重量: 0.7t
(4)到達高度 : 約150km
(5)実験場所 : ノルウエー・アンドーヤロケット射場
(6)打上げ予定日時:平成16年12月5日 17:00(実験時間帯17:00〜06:00)
(現地) (観測条件が整わなかった場合は、12月20日まで延期する。)
(7)実験実施責任者: 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部長 鶴田 浩一郎
(8)実験主任 : 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部 助教授 早川 基
※「S-310-35計画におけるアンドーヤロケット射場施設の利用及び観測ロケット打上げ作業に関する宇宙航空研究開発機構とアンドーヤロケット射場との間の協定」を締結している。
2.実験の目的
オーロラの発光と大気の運動
高緯度で見られるオーロラは高い高度から降り込んでくる粒子が地表からの高度約100km付近(熱圏下部)に存在する大気粒子を励起することによって生じる発光現象である。この降り込み粒子は大きなエネルギーをもたらすが、その結果として大気の運動(風)が生じ、しかも鉛直上方や水平方向に拡がっていくらしい事が最近のロケット観測により示唆されている。この高度100km付近の観測が可能なロケットを打ち上げ、同時に地上に設置した測定器による観測を実行し、この現象の解明を行うことを計画している。
ロケットによる直接観測と地上からの遠隔測定によるアプローチ
このオーロラ現象に伴う大気の運動の解明を目指して、高緯度に位置するノルウエーのアンドーヤロケット射場を中心拠点とした総合的な観測を行う。このためロケットに搭載した測定器による直接観測では中性大気粒子の温度や密度を、地上からは干渉計により大気の風を、レーダーとカメラによる遠隔観測からはそれぞれプラズマの温度や密度、大気に入力されるエネルギーに関する情報を得る。これらの観測データを解析し、理論的検討や数値シミュレーション手法を駆使して、未解明の謎を明らかにする。
3.実験の観測装置(ロケット搭載機器および地上観測装置)
ロケットに搭載する観測機器
窒素分子測定器、固定バイアスプローブ、電子エネルギー分布測定器、地平線検出器、オーロラ光測定器、電子密度測定器、電子温度測定器、磁場計測器
地上から同時観測を行う機器(括弧内は所在地)
EISCATレーダー、オーロラ光測定器(トロムソ)、
ファブリペロー干渉計、全天カメラ(スキボトム)、
ファブリペロー干渉計(キルナ)
全天カメラ、Naライダー、MFレーダー、イオノゾンデ(アンドーヤ)
アンドーヤロケット射場、主な地上観測装置を設置するトロムソとスキボトムの所在地を下図に示す。
2004年11月24日