S−310−33号機 発表文

 

平成16年1月18日
01時30分発表
宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究本部
観測ロケット実験班

 電離層下部に見られる大気発光の波状構造の解明を主目的としたS−310−33号機は、平成16年1月18日00時30分、上下角72度で発射されました。
 ロケットの飛翔および搭載された機器の動作は全て順調で、ヨーヨーデスピナーは発射後55秒に作動し、60秒に開頭が行われました。ロケットは発射後186秒に最高高度141kmに達し、277秒後にチャフを放出した後、内之浦南東海上に落下しました。
 酸素原子測定器、大気光測定器、プラズマ測定器、および中波帯電波受信機により大気光波状構造におけるプラズマ密度・温度を測定しました。チャフは約13分間新精測レーダで追尾し、高度80km以上の風向・風速を測定しました。星姿勢計は、星検出によりロケットの姿勢を決定しました。
 地上観測班は、大気光発光層の水平波状構造を観測しました。中波レーダおよびMUレーダによる風の観測、ライダーによるNaの観測及び分光器による大気温度の観測も行われました。
 詳細なデータの解析と科学的解釈は今後実施することになりますが、当初目的のデータは十分に収得できました。
 光学班は発射後41秒までロケットを追跡しました。
 本日の天候は晴、地上風 北北西2.8m/秒、気温8℃でした。

 これをもちまして、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部の平成15年度第2次観測ロケット実験はすべて終了しました。関係各方面のご協力に感謝いたします。

 

(問い合わせ先)
 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部
 実験主任 教授  加 藤  學
 TEL0994−67−2211