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再使用型ロケットの実験(能代多目的実験場)

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部では、将来の宇宙輸送システムの研究として繰り返し飛行が可能な完全な再使用型のロケットについて開発研究を行っています。この研究の一環として、小型の実験機を使って繰り返し飛行に必要な技術を習得するための実験を実施します。今回の実験は、平成11年3月および平成 13年6月の実験に引き続く3回目の離着陸実験で、ロケットエンジンを使った機体が離着陸を繰り返す際の飛行性能や運用についての経験を得ることを目的としています。

近い将来に実現が期待される完全な再使用が可能な宇宙輸送システムでは、

  • エンジンなどの推進システムの性能向上
  • 機体構造/材料の軽量化
  • 再使用に耐えるシステムの構築法

などがその実現の鍵であるとされています。現在研究の対象としている「完全再使用ロケット」では、これらの新しい技術の研究成果を確かめながら、どのようにすればロケットを繰り返し使用することが可能になるかを追求しています。このため、繰り返し飛行を効率的に行うためのシステムとして、ロケットが垂直に発射し、再びその場所に帰還して垂直に着陸する「垂直離着陸型」と呼ばれる方式の機体を想定して検討を進めています。

このような再使用が可能なロケットの基礎実験として、今回の実験ではこれまでの研究成果を用いて、

  • 効率的な繰り返し飛行を実現するための推進システムの構築とその運用に関する技術
  • ロケットエンジンによる飛行時の高度制御および着陸時の誘導に必要な技術
  • 機体の軽量化による性能向上を目指した複合材の極低温燃料タンク

の3つの技術課題の習得を主な目的として、液体水素と液体酸素を燃料とした小型のロケットエンジンを用いた再使用ロケット実験機を試作しました。機体は高さが約3.5m、重さが約500kg、搭載される燃料は最大70kgで、20秒程度の時間で垂直に上昇し垂直に着陸します。エンジンは離陸と着陸の際に必要な推力をコントロールする機能を持っています。これまでに行われた様々な試験によって、エンジンの性能や離着陸時の機体の誘導性能に関するデータが蓄えられており、このデータを基にして今回の試験を計画しています。機体システムは容易に繰り返し飛行を行うことができるように設計され、実際にロケットを飛ばしてみることで、安全かつ効率的な再使用のために必要となる工学的な技術課題の習得を目指しています。

実験は10月14日から27日までの期間で,能代実験場で行う予定です。

2003年10月15日

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