2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載されてい る,ハチの巣状の六角形のハニカム構造の使用により軽量化された高利得平面ア ンテナ「ラジアルラインスロットアンテナ」について説明します。Xバンド (8.4GHz)用のための1次元アレー設計モデルとアンテナ測定結果を示します。直 径92cmのアンテナで重さは1.16kgと軽く,利得35.9dBiを58.7%のアンテナ効率 で実現しました。また,Kaバンド(32GHz)におけるラジアル導波路内の電磁界分 布の問題とアンテナ測定結果を説明します。  また,齋藤宏文宇宙機応用工学研究系教授と行っている,Xバンド(9.65GHz)ハ ニカム構造平行平板スロットアレーアンテナを100kg級の小型衛星に搭載可能な 合成開口レーダシステムへ適用する共同研究の内容についても説明します。平行 平板導波路の上面の一端だけに給電導波管を設けた右旋円偏波のアンテナパネル (0.7m四方)一枚の設計,試作,評価を行いました。利得35.0dBiが得られ,アン テナ効率は約55%となりました。損失は約1.6dBあり,半分の約0.8dBはハニカム コアによるものと考えられます。