講演概要: 地球上で最初に誕生した生命体である細菌は、オゾン層や土壌の形 成などに大きな役割を果たし、地球環境を数十億年かけて 整えていった。しか し 微生物はごく一部ではあるが、ヒトなどに対して病原性を有することから、 研究の多くはヒトに有害な特定の微生物を対象とし、その基本は「培 養」で あった。 一方、分子生物学や情報科学の進展とともに、環境中に生息する細菌 のほとんどは培養困難、すなわち認識すらできないことが明らかとなり、「微 生物ワール ド」の全体像を理解するため、新たな視点からの研究が始まってい る。ISSきぼうでの微生物解析の成果を紹介するとともに、微生物の系統進化 や 生命の起源 についても考えたい。