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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第253号

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ISASメールマガジン   第253号       【 発行日− 09.07.28 】
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★こんにちは、山本です。

 先週は、ビッグイベントが盛りだくさんでした。皆既日食は、ISASからは海外脱出組を含め、沖縄方面、硫黄島・八丈島クルーズ等、大勢が出かけました。

 休暇を取って家族で海外まで行ったのに天候が悪かったNさん。八丈島クルーズでバッチリ観測できたMさん。早速メルマガに執筆の依頼をしておきました。

 週末の一般公開は、2日間開催で、体力が持つのか心配しましたが、どうにか気力で乗り切りました。

 今週は、宇宙科学普及主幹・広報委員長の阪本成一(さかもと・せいいち)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:相模原キャンパス一般公開、2日連続開催
☆02:宇宙で自由研究
☆03:第3回宇宙旅行シンポジウムの開催
☆04:今週のはやぶさ君
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★01:相模原キャンパス一般公開、2日連続開催

 7月24日(金)から25日(土)にかけては、年に一度の相模原キャンパスの一般公開(今年5月から見学コースを常時公開していますので、「特別公開」という表現の方が正しいか)でした。日食の直後という日程には賛否両論がありましたが、8月にずれ込んで来場者数が大きく減った昨年の教訓を活かし、地域住民の大多数の予定を優先して決定したものです。

 今年は2日間連続しての公開を試行しています。これは過去の一般公開の来場者アンケートのリクエストで最も多かった「内容が充実しすぎていて1日では回りきれない」、「2日間ないし年2回開催してほしい」などの多数意見に応えたもので、過去にも何回も検討され、職員の体力や経費や代休取得の観点から実施が見送られてきたものです。今回は、当初案の土日連続開催でなく金 土の連続開催とすることで、職員の動員率の向上を試み、代休取得の問題も回避しました。職員の体力や集中力が2日間持つかどうかは心配でしたが、私自身が土日連続のイベント対応を常日頃行っている経験から、なんとかこなせるのではないかと期待したものでした。

 同時に、「混雑していて押し出される」などの問題にも取り組んでいます。昨年同様に各ブースには、動線や人のよどみを意識したブース作りや、行列の短縮、待ち時間の告知、待ち時間の有効利用に向けた取り組みをお願いしています。また、隣接する相模原市立博物館、共和小学校に加えて、今年は向かいにある東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分室にも協力を依頼し、 会場の拡大に努めました。初日の来場者は平日で雨だったせいもあってか4320人(JAXA相模原キャンパス会場のみの集計)にとどまりましたが、
「用事と重ならない日に来られるのがよい」、
「2日あると思うとあせらず落ち着いて回れる」、
「来場者が分散したので混雑を避けてじっくり見学できた」
など、来場者の評判はまずまずのようです。

 日程と会場の拡大に伴って、実施内容に変化を持たせてマンネリを打破することも可能になりました。例えば今回初参加となった東京国立近代美術館フィルムセンターの映写ホールでは、リクエストの多かった大人向けの宇宙科学セミナーを実施しました。初日は月惑星探査プログラムグループの橋本樹明教授による「月惑星探査の魅力」の話、2日目は理学委員長の中村正人教授による「金星探査機PLANET-C」の話と工学委員長の稲谷芳文教授による「宇宙旅行と再使用ロケット」の話の2本立てという充実した講師陣。平均で百数十名を数えたコアな参加者も、全ての疑問にその場で回答をもらってスッキリです。

 相模原市立博物館でも、大会議室を使用して子供向けの「ミニミニ宇宙学校」(2日間で講師がのべ8名ですので、「ミニ」でも何でもないのですが)を開催するだけでなく、今年はデジタルドームシアターを利用した「かぐや」の立体映像“3D MOON”の無料上映を行いました。世界天文年の天体写真展「地球から宇宙へ」もホワイエで実施しています。

 各ブースでも、グッズ類などを減らして原点回帰することで、全体として昔の「宇宙研らしさ」を取り戻そうとしています。受付で2穴バインダーを配り、各ブースに統一フォーマットの穴あきリーフレットを置くことで、全部回ると30ページを超える「宇宙のなぞに挑戦! ミニミニ図鑑」が完成するというような企画も実行に移されました。また、PLANET-Cプロジェクトチームの計らいで、来年度の春頃に打ち上げ予定の金星探査機PLANET-Cのフライトモデルの公開も急遽行われました。子供たちに人気の水ロケット工作教室は、金曜は降雨のために中止となり、土曜のみの開催となりましたが、もし2日とも実施していたら担当者の体力が持たなかったのではないかと危惧されるところで、来年度にどのように行うかは課題だと思います。

 2日目の来場者だけでも昨年実績をかなり上回る9268名。2日間の合計で13588名と出ました。反省すべき点もいっぱいありますので、アンケートや皆さんからのメッセージを集計しつつ、反省会での裁きを待つことにします。

(阪本成一、さかもと・せいいち)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※