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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第201号

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ISASメールマガジン   第201号       【 発行日− 08.07.22 】
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★こんにちは、山本です。

 先週は200号! ということで、お祝いや、励ましのメールを多数戴きました。ありがとうございます。

 これからも、楽しく、分かりやすく、熱く、続けていきたいと思います。

 さて、19日から始まった土日公開にはどれくらいの人出があったのでしょうか?

 今週は、ISAS広報委員長の阪本成一(さかもと・せいいち)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:生態展示と静態展示
☆02:夏休みイベント特集
☆03:小惑星探査機「はやぶさ」情報
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★01:生態展示と静態展示

 梅雨が明け、本格的な夏が到来しました。今年もJAXA相模原キャンパスでは一般公開を行います。今年は7月末に予定されている観測ロケット実験などの関係で開催が8月9日と例年より遅めですが、ぜひ皆さまお誘い合わせのうえお越しください。

 ところで、年に一度のこの一般公開は一種のお祭りで、最近は1日で2万人近い人出でたいへんに盛り上がるのですが、たいへんに混雑します。狭いキャンパスでは収容能力に限界があるからなのですが、そこで今年は、人気の水ロケット工作の会場を共和小学校グラウンドに、また「かぐや」関係のビデオシアターや展示・講演などを相模原市立博物館にそれぞれ分け、少しでも混雑を緩和することを目指しています。

 また、じっくりと成果をご覧になりたい方や、週末も多忙な方などからは、一般公開の複数回ないし複数日開催への熱い要望が毎回多数寄せられています。狭いキャンパス内で全員参加でも300人しかいないスタッフが2万人の対応をすることにはそれなりの困難があり、スタッフは例年この1日で真白な灰になってしまうのですが、一般公開の2日連続開催に向けて、課題をひとつひとつ克服しつつ、また体力も増強しつつ、なんとか来年こそは実現したいと考えています。

 このほかに展示室の公開も行っています。実は相模原キャンパスの展示室は最近たまに見かける「セキュリティエリア内にある公開施設」という薄幸な施設のひとつなのですが、私たちはめげません。平日は職員や学生が展示室を通り抜けて出入りしたり展示室脇にある喫煙エリアに人が出入りする関係でそれなりに目が行き届くのをいいことに、昨年の夏から平日は展示室を自由に見学いただけるようにしています。見学者に交じって展示室内を私たち研究者や技術者、学生が普段どおりの風体でうろうろしているようすは、さながら旭山動物園の生態展示のようです。研究開発の成果だけでなく、それを支える人たちの日々の活動のようすが、キャンパスに出入りする関連メーカーの技術者の方々も含め、ありのままの状態で展示されているのです。
誰が進めているのかが分かるような、人の顔の見える展示にすることで、宇宙への敷居を下げることができるかもしれないと思っています。

 展示室の一角に昨夏設置した「JAXAさがみはら文庫」も、冊数が次第に伸びてきました。これは職員の宇宙関連の個人蔵書の寄贈によって成り立っているもので、まだまだ誇れるようなものではありませんが、予算ゼロでも新しく始められることはいくつもあります。

 昨年からは展示室の8月期の土日公開も始めました。今年はどうするのかと6月頃から問い合わせを受けていましたが、当然やるつもりではいたものの、出張続きで人員確保の段取りが遅れに遅れ、7月に入ってようやく最低限の人員を確保できました。今年も研究系・開発系・事務系の職員に勤務日を振り替えてもらい、展示室の相談員席に座って執務してもらいます。昨年の試行で、隣りの相模原市立博物館に来たついでに立ち寄る方など、土日公開にもかなりの需要があることが分かりましたので、今年は開始時期を少し繰り上げ、この3連休からすでにスタートしています。宇宙情報・エネルギー工学研究系のあのひととか、宇宙探査工学研究系のあのひととかが質問対応のために座っていたはずで、これからも、高エネルギー天文学研究系のあのひととか、「はやぶさ」プロジェクトのあのひととか、錚々たるメンバーが続々登場します。ぜひご利用いただければと思います。

 夏になり、胸に「見学者」のIDを下げた見学者の姿を展示室や食堂、生協などでいつもより多く見かけるようになると、社会とのつながりを普段よりも強く意識します。人は見られることで美しくなるといいますが、展示室の内容や私たち職員の意識も、皆さんに見学にお越しいただくことで少しずつよくなってきているのではないかと思っています。最近は子供向けにスタンプラリーも拡充し、展示室内だけで48種類が置かれています。新しい展示もいくつか入っており、ペンシルロケット50周年の水平発射再現実験で実射されたペンシルロケット18機のうちの、タイムカプセル内に収納された1機を除く17機全部(ロットナンバー入り)など、マニア向けのものも拡充されました。推薬を詰めれば飛ぶ、本物の持つ迫力にぜひ触れていただきたいと思います。

 そしてキャンパス内の屋外散策コースの一角ではいま、基礎工事が進められています。この工事は8月9日の一般公開までには一段落する予定で、その後の組み立て調整を経て、秋頃には世界に一つしかないM-Vロケットの実機がキャンパス内にお目見えします。

 研究者の生態展示とロケット実機の静態展示、どうぞごゆっくりお楽しみください。

(阪本成一、さかもと・せいいち)

相模原キャンパス一般公開
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/event/2008/0809_open/index.shtml

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※