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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第161号

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ISASメールマガジン   第161号       【 発行日− 07.10.16 】
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★こんにちは、山本です。

 子衛星の分離に成功した「かぐや」が、「おきな」と「おうな」に見守られて月の観測成果を送って来るまでもう少しです。19日(金)には定常観測軌道(高度100km)の月周回軌道に投入される予定です。

 今週は、宇宙構造・材料工学研究系の後藤 健(ごとう・けん)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:ISASで学生生活を送る
☆02:「かぐや」リレー衛星分離成功!月面写真も撮影
☆03:「かぐや」VRAD衛星分離、子衛星を「おきな」「おうな」と命名
☆04:JAXAタウンミーティング【木津川市、鳥取市、いわき市】
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★01:ISASで学生生活を送る

 ここでは宇宙科学のご紹介ではなくて、「ISASで学生生活をおくる。」についてご紹介したいと思います。最近、日本人の理科離れが進んでいるとの報道をよく聞きます。ISASでは宇宙開発を実施する機関としてJAXA設立以前から教育活動に重点を置いて活動をしています。すでにご存じの方、またはご参加いただいた方もいらっしゃると思いますが、ISASでは一般公開、宇宙学校、君が作る宇宙ミッション、JAXAコズミックカレッジなどの直接的な教育活動を行っています。また、宇宙教育センターを通じた教育現場への支援を実施しています。これらについてはすでにメールマガジンでも取り上げられていますので、バックナンバーも是非参照してみてください。さて、そろそろ本題です。皆さんはISASで大学のように宇宙科学を学ぶことが出来ることをごぞんじでしょうか?

 JAXAには大きく分けて3つの大学院生の受け入れシステムが存在しており、現在もISASや他の研究本部に100名を超える大学院生が在籍しています。
最初にご紹介するのは東京大学の学際講座です。理学系、工学系大学院のそれぞれ4専攻に受け入れ可能研究室があり、ISASで学生生活を送ることが出来ます。
2つ目は既に各大学院に在学している学生さんが出身大学大学院に在籍したままISASに限らず、JAXAの各研究本部やセンターで研究を実施する制度です。連携大学院および特別共同利用研究員制度と呼ばれています。連携大学院制度では、JAXAと大学院が協定を締結した上で、JAXAの研究者が大学院の客員教員(併任教員)に就任し、ISASに限らず、JAXAの各研究所内で大学院生を学位取得まで指導します。
また、特別共同利用研究員制度はISASでの研究指導を希望する大学院学生の所属する大学院研究科からの委託を受けて、一定の期間、特定の研究課題に関して研究指導を行うものです。これらは単位の認定、学位論文の審査、学位の授与等については、学生の所属する大学院で行われることを前提とした制度です。このようにそれぞれの大学に籍を置いたままでもISASで、研究を実施することができます。

 さて、ISASで学ぶ3つ目の方法、大学の専攻としてISASに所属して、授業を受け学位をとることができる、国立大学総合研究大学院大学(以下、総研大)についてご紹介しましょう。この制度は、ISASが総研大に参加し、その中における物理科学研究科宇宙科学専攻として大学院教育を実施しているものです。毎年8月から9月にかけて相模原キャンパスで入学試験が行われています。博士後期課程(3年)については1月から2月にも入試の機会が用意されています。この専攻では相模原キャンパスでISASの教員の授業を受講して単位を取得し、ISASの教員の指導の元で研究を進めて学位を取得することができます。

 総研大についてちょっとご説明をしておきましょう。国立大学法人総合研究大学院大学とは、全国の18の大学共同利用機関等が参加している学部を持たない大学院大学です。総研大の設立理念は、大学共同利用機関に存在する国内外における最先端の高度で優れた研究環境を活用して、学術研究の新しい流れに先導的に対応できる、幅広い視野を持った国際的で独創性豊かな研究者を養成することにあります。大学本部は神奈川県葉山町にあり、学生がそれぞれの研究機関でキャンパスライフをおくっています。宇宙科学専攻でも、学生の数よりも教員の数の方が遥かに多く、授業も一人の教員に数人の学生という学習環境になっており、実際の宇宙科学ミッションと関連した授業、研究が進められています。詳しくはISASホームページから総研大宇宙科学専攻のページをご参照ください。
(⇒ 新しいウィンドウが開きます http://www.isas.jaxa.jp/sokendai/

 最後に、この総研大宇宙科学専攻に体験入学できるプログラムをご紹介しておきます。総研大物理科学研究科では、大学学部学生および大学院学生向けにアジア冬の学校という企画を例年12月から1月の3日から4日の期間で実施しています。宇宙科学専攻(ISAS)でも1月の開催を目指して準備を進めています。ISASで学んでみたい、興味があるという学生の皆さん、ぜひ相模原で宇宙科学を体験してみませんか?

(後藤 健、ごとう・けん)

総研大のページ
新しいウィンドウが開きます http://www.isas.jaxa.jp/sokendai/

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※