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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第143号

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ISASメールマガジン   第143号       【 発行日− 07.06.12 】
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★こんにちは、山本です。

 そろそろ関東地方も梅雨入りのはずですが、週末の相模原キャンパス付近は、雷や大雨・洪水警報が出されるなど、まるで梅雨末期の様相でした。

 今週は、システム開発部の関 妙子(せき・たえこ)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:打上げの季節
☆02:月周回衛星SELENEの愛称「かぐや」に決定!
☆03:大気球を使った成層圏大気の大量採取に成功
☆04:JAXAサイト:小惑星探査機「はやぶさ」物語
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★01:打上げの季節

 「春の天気は三寒四温」と昔習った記憶がありますが、今春は雨の量が少なかったと先日ニュースで言っていました。関東の平年の入梅は6月8日頃だそうですが、この記事を書いている6日現在、まだ初夏の陽気が続いています。

 気温が高くなり暑くなってくると、また打上げの季節が近くなってきたなと感じます。最初に参加したロケットの打上げが夏真っ盛りの8月だったからでしょうか。その後、計6回の打上げに参加し、夏冬の比率はちょうど半分ずつなのですが、やはり最初の印象というのは大きいようです。真夏の南九州の暑さはやはり半端ではなく、冷房のきいた屋内から出るたびに「暑い!」と独り言を言ってしまいます。

 私はロケットから送られてくる様々なデータを受信し、管制室や各機器の担当者への配信を担うテレメータ班というところに所属しています。
テレメトリは飛び立った後のロケットの詳細な状態を知ることをできる唯一の手段です。テレメータ班は事前にアンテナや受信装置を点検し、異常がないこと、問題があればそれを解決したことを確認して本番に備えます。M-Vロケットでは複数のテレメータ送信機が搭載されており、その分管理する地上の設備も複数ありました。ですが、作業期間が長いこともあり、比較的ゆとりを持って準備することができたのですが、作業期間が1週間程度の観測ロケットの場合はそうもいきません。自分の担当している部分は大丈夫?やり忘れたことなかったっけ?と、常に自問自答です。

 観測ロケットでは、ロケット実験は初めてという学生さんも多く参加します。これはテレメータ班に限ったことではありませんが、彼らをフォローをすることも大事な仕事のひとつです。相模原での試験から内之浦の打上げまでほんの数ヶ月の付き合いですが、飛んでいったロケットから送られてきたデータを目にするときの喜びや感動は、いままで参加した打上げの全てにおいて記憶に残っています。学生さん達もこの体験が一生の宝物になってくれればいいなと、願っています。

 さて、今年度も観測ロケットの打上げのために内之浦へ出張することができそうです。今回はどのような感動を目にすることができるでしょうか。今から楽しみです。

(関 妙子、せき・たえこ)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※