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ISASメールマガジン 第81号
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ISASメールマガジン 第081号 【 発行日− 06.03.28 】
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★こんにちは、山本です。
ISAS/相模原の桜もやっと三分から五分咲きでしょうか。今週末は、生協主催のお花見も催されます。
先日、中学3年生(4月から高校生ですが)から、応援メールをいただきました。第1志望の高校に合格したこと、創刊号からの読者で、頑張って勉強してゆくゆくはJAXAのISASに入りたいこと、友だちに「あかり」と同じ名前のとっても元気なあかりちゃんがいることなど、元気いっぱいで楽しいメールでした。
私も、彼女や読者の皆さんからたくさんのパワーをもらったので、これからも毎週ガンバリます!!
今週は、宇宙環境利用科学研究系の黒谷明美(くろたに・あけみ)さんです。
いつもはスグに原稿が送られてくるのに、遅いと思っていたら、こんなことになっていたとは……
── INDEX──────────────────────────────
★01:春の憂い − 骨と重力 −
☆02:国分寺のペンシル記念碑完成!
☆03:宇宙科学講演と映画の会
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★01:春の憂い − 骨と重力 −
相模原キャンパスの桜もちらほらと咲き始め、毎年今頃はスギおよびヒノキの花粉によるアレルギー性結膜炎(鼻炎はほとんどないのですが)に悩まされながらも、満開の時をうきうきと待っている頃なのですが、今年は少し事情がちがいます。長くなるので詳しくは書きませんが、イヌのフンをよけようとして転び、左上腕骨大結節骨折(全治4週間)。片手でポチポチ入力しています。3月24日現在でやっと16日目。桜が散る頃、痛い痛いリハビリが始まる予定です。
「フンと骨」つながりというわけで、バフンウニ幼生の骨片の形と重力の関係の研究はその後どうなったでしょう(唐突ですが、メルマガ007号[2004/10/19]からの続きです)。
バフンウ二の16細胞期胚から骨片をつくる細胞(小割球)だけを取り出して、馬血清(「馬糞ウニ」だからではなくて偶然にこれが最適なのです)を加えた海水中で培養すると、シャーレの中で骨片が作られます。この骨片形成の条件を細かく詰めて決定し(詳細は割愛)、この過程を100Gという大きな重力のもとで進ませると、1Gのときよりもたくさんの骨片ができることがわかりました。
宇宙に長期滞在した人間では、重力に逆らって力を出す仕事をしない分、使わない筋が委縮したり、骨からカルシウムが溶け出して骨粗しょう症のような状態になることが問題になっています。逆に、運動などで骨に力がかかるようにすれば、骨の新陳代謝をよくして骨を丈夫に保つことができるとされています。私の骨折を知ったM川教授は「パラボリックフライトやりすぎ(微小重力体験しすぎ)たんじゃないの?」と言いますが、パラボリックフライトでは20秒間の微小重力の前後に2Gほどの過重力状態もあるわけで……。
ウニの骨片の成分は炭酸カルシウムで、リン酸カルシウムが主成分のヒトの骨とはちがいますが、重力の大きさに従って体を支えるのに必要なら骨が増え(数あるいは太さ)、不要なら少なくなるという共通したストーリーができるのかもしれません。宇宙実験の機会が待たれます。さらに重力によって、骨片の枝分かれなど形がどうかわるかなど、これからも研究は続きます。
さて骨折ですが、よいこともありました。なぜかアレルギー性結膜炎がピタッと治ってしまいました。体内のカルシウムが総動員されている過程と関係あるのか、免疫力の低下か、逆に非常事態に対する緊急ホルモン(ステロイド??)でも出ているのか……、生命の不思議です。こちらも研究は続きます。
(黒谷明美、くろたに・あけみ)
⇒ http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2004/back007.shtml
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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※
ISASメールマガジン 第081号 【 発行日− 06.03.28 】
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★こんにちは、山本です。
ISAS/相模原の桜もやっと三分から五分咲きでしょうか。今週末は、生協主催のお花見も催されます。
先日、中学3年生(4月から高校生ですが)から、応援メールをいただきました。第1志望の高校に合格したこと、創刊号からの読者で、頑張って勉強してゆくゆくはJAXAのISASに入りたいこと、友だちに「あかり」と同じ名前のとっても元気なあかりちゃんがいることなど、元気いっぱいで楽しいメールでした。
私も、彼女や読者の皆さんからたくさんのパワーをもらったので、これからも毎週ガンバリます!!
今週は、宇宙環境利用科学研究系の黒谷明美(くろたに・あけみ)さんです。
いつもはスグに原稿が送られてくるのに、遅いと思っていたら、こんなことになっていたとは……
── INDEX──────────────────────────────
★01:春の憂い − 骨と重力 −
☆02:国分寺のペンシル記念碑完成!
☆03:宇宙科学講演と映画の会
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★01:春の憂い − 骨と重力 −
相模原キャンパスの桜もちらほらと咲き始め、毎年今頃はスギおよびヒノキの花粉によるアレルギー性結膜炎(鼻炎はほとんどないのですが)に悩まされながらも、満開の時をうきうきと待っている頃なのですが、今年は少し事情がちがいます。長くなるので詳しくは書きませんが、イヌのフンをよけようとして転び、左上腕骨大結節骨折(全治4週間)。片手でポチポチ入力しています。3月24日現在でやっと16日目。桜が散る頃、痛い痛いリハビリが始まる予定です。
「フンと骨」つながりというわけで、バフンウニ幼生の骨片の形と重力の関係の研究はその後どうなったでしょう(唐突ですが、メルマガ007号[2004/10/19]からの続きです)。
バフンウ二の16細胞期胚から骨片をつくる細胞(小割球)だけを取り出して、馬血清(「馬糞ウニ」だからではなくて偶然にこれが最適なのです)を加えた海水中で培養すると、シャーレの中で骨片が作られます。この骨片形成の条件を細かく詰めて決定し(詳細は割愛)、この過程を100Gという大きな重力のもとで進ませると、1Gのときよりもたくさんの骨片ができることがわかりました。
宇宙に長期滞在した人間では、重力に逆らって力を出す仕事をしない分、使わない筋が委縮したり、骨からカルシウムが溶け出して骨粗しょう症のような状態になることが問題になっています。逆に、運動などで骨に力がかかるようにすれば、骨の新陳代謝をよくして骨を丈夫に保つことができるとされています。私の骨折を知ったM川教授は「パラボリックフライトやりすぎ(微小重力体験しすぎ)たんじゃないの?」と言いますが、パラボリックフライトでは20秒間の微小重力の前後に2Gほどの過重力状態もあるわけで……。
ウニの骨片の成分は炭酸カルシウムで、リン酸カルシウムが主成分のヒトの骨とはちがいますが、重力の大きさに従って体を支えるのに必要なら骨が増え(数あるいは太さ)、不要なら少なくなるという共通したストーリーができるのかもしれません。宇宙実験の機会が待たれます。さらに重力によって、骨片の枝分かれなど形がどうかわるかなど、これからも研究は続きます。
さて骨折ですが、よいこともありました。なぜかアレルギー性結膜炎がピタッと治ってしまいました。体内のカルシウムが総動員されている過程と関係あるのか、免疫力の低下か、逆に非常事態に対する緊急ホルモン(ステロイド??)でも出ているのか……、生命の不思議です。こちらも研究は続きます。
(黒谷明美、くろたに・あけみ)
⇒ http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2004/back007.shtml
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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※