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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第72号

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ISASメールマガジン   第072号       【 発行日− 06.01.24 】
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★ こんにちは、山本です。
 週末に雪が降ったISASは、日当たりのよくない本館前ロータリーの雪が解け残っていて、そこだけが雪国のようです。今回の雪は水分が少なくて軽いのと気温が低いためか、強い風に雪煙が上がっていました。
 今週は、宇宙科学情報解析センターの高木亮治(たかき・りょうじ)さんです。

── INDEX──────────────────────────────
★01:「総研大アジア冬の学校」開催顛末記
☆02:S-310-36号機打上げ成功
☆03:『宇宙・夢・人』『宇宙の○人』更新しました。第19回
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★01:「総研大アジア冬の学校」開催顛末記

 2005年12月19日から21日の3日間の日程で宇宙科学研究本部(ISAS)、相模原キャンパスにおいて Sagamihara Lectures on Space Science 2005が開催され大成功のうちに終了しました。本講座は総合研究大学院大学物理科学研究科が行う「総研大アジア冬の学校」の一環として開催され、国内を含むアジア地域の大学学部生、大学院生および若手研究者を対象とした公開講座です。ISASとしては今回が初めての試みとなり宣伝不足のためか予定したよりも少ない参加人数でしたが、それでも中国の北京大学から9名、韓国のソウル大学から2名、国内の各大学から5名、総勢20名弱の参加者が集まりました。当初の予想に反して海外からの参加者が多く、国内からの参加者を圧倒した感じになりました。

 今回は「総研大アジア冬の学校」で共通的に設定されているテーマ「シミュレーションによる自然の探求」を受けて、ISAS独自に「宇宙科学におけるシミュレーションの活用:宇宙機開発から現象理解まで」というテーマを設定し、宇宙科学における様々なシミュレーション技術に関する講義を企画しました。シミュレーションと言えば一般的にはコンピュータを用いた数値シミュレーションが連想されますが、ここでは本来の意味である「模擬すること」に注目しました。つまり遠く離れた宇宙空間で発生する様々な物理現象を地上の実験設備や計算機の中で「模擬すること」と考え、宇宙機開発や自然現象の解明に活用される様々な模擬手法に関する講義を企画しました。

 宇宙機開発におけるシミュレーションの活用に関して、数値流体力学や最適化設計に関する講義が行われました。自然現象の解明におけるシミュレーションの活用に関して無重力現象や宇宙プラズマに関する講義が行われました。また折角の機会でもありISASで行われている最先端の衛星プロジェクトとして「はやぶさ」、「れいめい」、「すざく」の紹介も行っていただきました。特に「はやぶさ」に関しては正にタイムリーな講義になり参加者達の興味も大きかったように思われます。また「れいめい」では運良く実際の衛星運用を見学することができ、これも参加学生には非常に興味深いものだったようです。初日に行われた歓迎会は残念ながらISASの忘年会と重なってしまいましたが、ISASの学生も参加してくれて様々な情報交換が行われ交流の輪が広がりました。やはり同年代の気安さから大いに盛り上がりました。参加学生からはISASの研究活動は非常にユニークで興味深いといった声も聞かれるなど本公開講座は十分満足の行くものだったと思います。

 最後になりますが、本公開講座は総合研究大学院大学およびISAS本部内教職員の皆様のご協力に支えられて無事に開催することができました。
ここに記して謝意を表します。またこの様な活動は継続することが重要ですので今後も引き続き開催したいと考えております。興味を持たれました方は是非ご参加下さい。

(高木亮治、たかき・りょうじ)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※