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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第46号

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ISASメールマガジン   第046号       【 発行日− 05.07.19 】
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★ こんにちは、山本です。
 「すざく」「はやぶさ」も順調に航行中です。今週末はついに一般公開です。梅雨の明けた関東地方は去年の夏を思わせる暑さです。小さいお子さん や体力のない方は、熱中症対策を忘れずにお願いします。
今週は事務方の登場、科学推進部庶務課の山本日出夫さんです。

―― INDEX――――――――――――――――――――――――――――――
★01:打上げ準備
☆02:「すざく」順調に運用中!(7月12日)
☆03:宇宙研一般公開(7/23)
☆04:HAYABUSA 小惑星「イトカワ」に向かって順調に飛行中!
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★01:打上げ準備

 この原稿を書いているのは、6月29日なのですが、メルマガの読者のみなさまが拙稿をご覧になる頃には、M-V-6号機によってX線天文衛星ASTRO-EIIが無事打ち上げられていることと思います。そこで今日はロケットの打上げ準備のことについてお話しましょう。私は事務管理系の人間ですので、ロケットや衛星の準備に関してのことは専門の方に譲るとして、いわゆる視察者をご案内する「総務・渉外」といった部分を中心にお話をさせていだだきます。

 M-Vロケットの打上げには、H-IIAのそれとは比較にならないものの、毎回数十名のお客様をお迎えしてきました。この対象となるのは、国会議員、文部科学省関係者、宇宙開発委員会関係者、評議員、運営協議員、ロケット、衛星の製作に協力いただいたメーカーの方々等々です。これらの方々に招待状を出し、出席の返事のあった方々の宿を手配し、打上げ前日に説明会を開催し、当日はバスで視察場所まで添乗してご案内します。そして打上げ後、鹿児島空港までお送りするのが渉外の仕事です。このような仕事はうまく行って当たり前なので、非常に気を使います。この他、打上げが延期になった場合は更に仕事が増えていくことになります。

 ところで、今回の打上げはJAXA発足後、初めての科学衛星打上げとなり、統合前は宇宙研だけで行ってきた作業も、全組織を挙げて行われるようになりました。JAXAの部外者の方は「それが何か問題あるの?」と思われるかもしれませんが、やはりそれぞれ旧機関のやり方、風習?のようなものがまだ残っていて、言葉一つとっても微妙に違っており、戸惑うことがあります。例えば、宇宙研は打上げに関わる人たちの編成を「実験班」と言いますが、旧NASDAはこれを「打上げ隊」と言います。そのほかいろいろ言葉の違いはあるのですが、それも徐々に解消してきて、今はまさに組織の総力を挙げての 体制が出来てきました。

 これに関連して、今JAXAではONE JAXA運動という言葉で、更なる組織融合への取組が行われています。例えば、理事長以下役員が各事業所を回って、職員一人一人の意見を聞いて対話をする中から、組織としての一体感を醸成しようする「理事との対話」というのがあります。このような取組ももちろん有意義だとは思います。「理事と直接話ができて、経営層の考え方がよくわかった」とか、「日頃、同じ職場にいてもあまり話をしたことのない人の考えが聞けて有意義だった」とか意外な?効果も産んでいます。しかし、何と言ってもJAXAにとって大事なことは、我が国唯一の宇宙航空研究開発機関であるということに誇りと責任を持って、確実にロケットの打上げを成功させていくことだと思います。全職員の総力を結集して、今回のM-Vの打上げを確実に行っていくこと、これにまさる「ONE JAXA運動」はないと私は思っています。みんなの熱気で是非成功させたいと思っていますので、あたたかいご声援をお願いします。

(山本日出夫、やまもと・ひでお)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※