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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第35号

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ISASメールマガジン   第035号        【 発行日− 05.05.03】
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★ こんにちは、山本です。
 GW(ゴールデンウィーク)のISASは、夏の実験を前に休暇を取って英気を養っている人、仕事のために休暇どころではない人、お休みのはずなのに何故かメールで仕事をしている人。つまりいつものISASと同じ……かな?いや、やっぱり休暇中の人は多いようです。
 今週は、科学推進部国際学術課の肥田久光(ひだ・ひさみつ)さんです。

―― INDEX――――――――――――――――――――――――――――――
★01:思いつくままに
☆02:特別コラム「ペンシルロケット物語 日本の宇宙開発の黎明期」
☆03:「第4回 君が作る宇宙ミッション」参加者募集!
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★01:思いつくままに

 科学推進部国際学術課の肥田と申します。メールマガジンに載せる原稿の依頼があり、正直なにを書いたらいいか全く分からない、困ったまま、原稿締め切りの日が迫ってしまいました。

 私は平成16年4月1日からこちらでお世話になっています。確か、こちらに来たとき新任者を紹介するコーナーがあったと記憶していますが、忙しさに紛れ原稿を提出しないまま、今日になってしまいました。この際、遅くなってしまいましたが、この場を借りてこれまでに経験したことを、書くことにしました。

 私がこちらに来る前は、大学で学生関係の仕事をしていました。何カ所か大学を回って来ましたが、その間、いろいろと経験し学んできました。特に印象に残っているものとして、留学生との関わりで、中国からの留学生家族が毒キノコを食べて奥さんと子供が死んでしまい、留学生も生きるか死ぬかという状況で、中国にいる親を呼ぶため、外務省や中国大使館と連携するなど、その後始末に翻弄させられたことや、アフリカの留学生がHIVに感染したため、急遽入院させることになり入院先の手配を行ったり、退院したときの宿舎や面倒をどうするか大きな問題でした。結局、国へ帰すことになり、文部省(当時)と相談するなど、あっちこちと走り回ったことを思い出します。また、ある大学での出来事で、学寮問題のため裁判所に3年近く通ったりしました。

 この裁判は、学生側からの訴えによるものでした。争いの争点は、
(1)大学の虚偽の告発により学生が4人、不当に逮捕されたということと、
(2)雇い人が大学の指示によりスパイ行為をしたということでした。
このことは、マスコミにも大きく取り上げられ、地域では注目された事件でした。

 裁判では、証拠資料を提出したり、文書による互いの主張を行うためのやり取りが1年半近く続きました。互いの主張が出そろったということから、証人尋問を行いたいと裁判長から発言があり、最初にスパイ行為をしたとする大学の雇い人が指名されました。

 早速、想定問答集を作成したり、他の裁判を傍聴しどの様に行われるのか、やり方を見たりして勉強が始まりました。当時は、国であるため法務局と連携し対応しました。検事を交えて対策を考え、尋問の日をむかえました。当日、裁判の傍聴のため学生が30数人大挙してやってきました。裁判所も警備員を増やすなど緊張感が漲っていました。尋問は6時間にも及びさすがに終わった後、疲れがどっとでました。その後、大学側、学生側と何人か証人尋問が行われましたが、双方の意見が全く正反対なので驚きました。

 平成16年5月26日判決があり、大学側の全面勝訴となりましたが、学生はこれを不服とし高裁に控訴したため、今でも裁判が続いています。

 その他にもいろいろなことがありましたが、こちらに来て1年が過ぎました。来た当時は、大学との違いもあって、とまどうことが多くあり今ではだいぶ慣れて来ましたが、まだまだ勉強が足らないと反省しています。

 こちらの主な仕事は、国際共同研究に係る協定の締結に関すること、外国人研究者の受入や、大学院教育に関する業務を行っています。これからは、もっと前向きに取り組みたいと思っているところです。

(肥田久光、ひだ・ひさみつ)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※