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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第18号

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ISASメールマガジン   第018号        【 発行日− 05.01.04】
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★ 明けましておめでとうございます、山本です。今年もISASメールマガジンをよろしくお願いします。
 今年最初のメルマガは、的川委員長にお願いしました。2005年はペンシルロケットの実験から50年目に当たります。
 4日は仕事始めの日ですので、委員長の挨拶のみの short version です。
次回 第19号より普通版でお届けします。

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★01:新年のご挨拶
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 明けましておめでとうございます。

 21世紀も5年目を迎え、JAXAは2回目の春を過ごします。今年はペンシルロケットが国分寺で産声をあげてから50年目です。半世紀というのは、人間で言えば一生の時間。ひと世代経過したということですね。50年前にAVSAという小さなロケット研究会が発足した時、糸川英夫先生が意識していたのは、太平洋を2〜3時間で横断するスペースプレーンでした。それがやっと世界の宇宙技術の近未来の本格的な目標になっている現在、そろそろ日本も次の半世紀の展望をつくる時期になったという実感がしますね。

 ところが世の中は、1回ごとのロケットの打上げに宇宙開発の未来を占おうという雰囲気で、50年先を見据えようとするとクレームがどっと来るようです。この情勢下で日本の宇宙開発を継続したいという考えに立つと、その空気を一新するためには、とるべき方向性にはそれほど選択肢はありません。前提として、立て続けに打上げを成功させて、「世の中の信頼」を取り戻すという項目は必ず必要なわけですが、それだけでは再び同じような危機がやってくるでしょうね。

 国全体の前途が暗いと思っている人が多いときに、宇宙だけが順風満帆ということはあり得ないと言ってしまえば身もふたもありませんが、国民への奉仕という点において、宇宙にしかできないスケールの事柄があることは、多くの歴史上の実例が証明してくれています。問題は、それをどういう人たちが認識してくれれば国家政策の中に思い切り反映できるのかということだと思います。

 政治家、官僚、……そうした一群の人々の顔が浮かんできます。しかしそういう人たちが判断の基準にしている要素を考えると、時間はかかってもやはり圧倒的に多くの国民に支持されるかどうかが、最も大切なことだということが納得できるはずです。そうあってこそ、真の日本の未来への投資としての長期ビジョンであると言えるでしょう。

 安全・安心で豊かな生活(Life)、知的誇り(Intelligence)、未来への夢(Future)、美しい地球を取り戻すための世界への貢献(Environment)。アレ? 並べてみると、“LIFE”!。今年は、宇宙が日本と世界の人々のLIFEを光あるものにするという決意で臨むことにしましょう。
1月6日、7日には、相模原キャンパスで宇宙科学研究本部主催の最大のシンポジウム「宇宙科学シンポ」が開催されます。
どなたでも参加してください。今年もよろしくお願いします。 

(的川泰宣、まとがわ・やすのり)

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