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ISASメールマガジン

ISASメールマガジン 第16号

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ISASメールマガジン   第016号       【 発行日 − 04.12.21】
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★ こんにちは、山本です。
 “ISASメールマガジンの配信数が年内に1000を超えそうです。”と先週書いたのですが、以降ナカナカ登録者が増えていません。どうしてかなぁ……
 今週は、宇宙科学情報解析センターの三浦 昭(みうら・あきら)さんです。
 南極の気球実験に科学観測チームとして参加している福家さんの「南極大紀行」もなかなか楽しいです。
新しいウィンドウが開きます http://balloon.isas.jaxa.jp/~fuke/antarctica2004/

―― INDEX――――――――――――――――――――――――――――――
★01:天文データベースの閲覧
☆02:S-310-35号機ロケット実験終了(12月14日)・アンドーヤ便り
☆03:南極でBESS-Polar気球実験進行中
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★01:天文データベースの閲覧

 私たちが見上げる星空は、さまざまに光り輝いています。以前のメールマガジンでもご紹介したように、星空を探るには、目に見える光(可視光)の他にX線(レントゲン線)や赤外線など、いろいろな波長の光の仲間を使います。世界中の天文台や、天文衛星でとらえた宇宙の姿は、それぞれのホームページからも提供されていて、誰でも観測データをダウンロードできるようになっている所も少なくありません。ところが提供されるデータは、その分野の専門家でないと扱えないような形式のものが多く、気軽にいろいろな波長の星空を比べることは簡単ではありません。専門家であっても、沢山のホームページを渡り歩いてデータを集め、比較するのは面倒な作業です。

 可視光の星空はいろいろな本や雑誌などで見ることができますが、その他の波長で見た星空は、どんな姿に見えるのでしょうか。例えば銀河系と言えば、多くの人はアンドロメダ大星雲(M31)のような、綺麗な渦巻き状の姿を想像するでしょう。ところが同じアンドロメダ大星雲を目に見えない光で見ると、また違った姿を見せてくれます。あるいは古くからブラックホールだと考えられてきた、はくちょう座のX-1(Cygnus X-1)は、実はX線で観測すると、その付近が明るく輝いて見えます。

 そんな興味に応えてくれるホームページを、宇宙研の宇宙科学情報解析センターや国立天文台の天文データセンターが共同で開発しています。そのサービスはjMAISONと名付けられていて、探したい天体名と探したい範囲を入力すると、その範囲にある様々な波長の天文観測データを探し出して、画像として表示してくれます。輪郭線表示にして他の波長の画像と重ね合わせたり、光の強度分布を調べたりと、簡単な操作もできるようになっています。

 jMAISONは、ある程度天文に詳しい人向けに作られているので、残念ながら日本語で検索することはできません。例えばアンドロメダ大星雲を探すのであれば「andromeda」や「M31」で、はくちょう座のX-1であれば「cygnus X-1」などで検索して、いろいろな波長の画像を比べてみてください。

 「MAISON(メゾン)」というのは、フランス語で家という意味があります。 (「めぞん一刻」の「めぞん」も、そうですね :-) jMAISONもいろいろな顔をした星々が集う家のようなものになれば良いなと思う今日この頃です。

 jMAISON と同じようなサービスは、他の組織でもいくつか提供されていて、今後はVO(Virtual Observatory; 仮想天文台)という、世界規模の連携も進んで行く見通しとなっています。自分で望遠鏡を覗いて星空を楽しむのも醍醐味ですが、パソコンを使って、目には見えない星空を眺めるのもまた新しい楽しみがあるのではないでしょうか。

 jMAISONのホームページは、こちら (どちらも同じサービスです)

新しいウィンドウが開きます http://maison.nao.ac.jp/
新しいウィンドウが開きます http://maison.isas.jaxa.jp/

(三浦 昭、みうら・あきら)

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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※