第8章 究極の固体ロケットをめざして

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ABSOLUTEとM-V

この時期のM-Vロケットの基本案は、全段固体推薬の3段構成、各段推薬量60・30・10t、1・2段3軸姿勢制御、3段スピン安定という、M-3SIIから補助ブースタを除いて大型化した穏健な構想だったが、その規模はM-3SII計画に先立つ1977年当時秋葉鐐二郎によって提唱された「ABSOLUTE計画」の具体化に他ならず、有志一同心躍る想いで初期検討に参加したものである。ここで、ABSOLUTEはAdvanced Booster by Solid Utilizing Technology of Extremityの略、総重量100t、直径3m、全長18.5mの3段式でペイロード比2%以上の宇宙探査用高性能ロケットの早期実現を目標に、固体ロケット技術の最高水準を極めるべく関連分野の全てを結集した総合研究開発を進めようという壮大な夢の構想であった。

その後1990年のM-V計画正式起動までの4年間に、関係各研究グループによって詳細な設計検討が進められ、機体外径が2.5mに設定されるとともに、1段推薬量を10t増やして多少大型化し、3段も3軸姿勢制御に改めて高級化したM-Vロケット最終案がまとめられ、スリムな「ペンシル」形の現役M-3SIIと比べ、ABSOLUTEに似てずんぐりした「クレヨン」形のM-Vが紙面上に姿を現したのである。

ABSOLUTE概念図:「東京大学宇宙航空研究所昭和52年度推進系シンポジウム」後刷集より

ABSOLUTE概念図:「東京大学宇宙航空研究所昭和52年度推進系シンポジウム」後刷集より

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