第7章 はじまった大型の国際協力

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史上最大規模のガンマ線が地球に飛来

2004年の暮も押し迫る12月28日、日本時間の午前6時半ごろ、瞬間的な照射エネルギーとしては過去最大規模のX線~ガンマ線が地球に飛来したことが、GEOTAILの観測データを東京大学の寺沢敏夫グループが解析した結果、分かった。このガンマ線は、いて座の方向、約3万光年離れた場所にある軟ガンマ線リピーターSGR1806-20と呼ばれる天体が起こした巨大フレアから放射されたものである。

このとき飛来したガンマ線は、これまで観測されたどの太陽フレアからのガンマ線よりも強く、そのため、すべての天文観測衛星のガンマ線検出器は約0.6秒間飽和してしまい、ピークの高さを測定することができなかった。

一方、GEOTAILに搭載されているプラズマ粒子検出器(LEP)は、本来ならその名のとおり、電子やイオンを検出するための装置だが、X線やガンマ線にも感度がある。その感度はガンマ線専用の検出器と比べてはるかに低いのだが、逆にそのことが幸いして、今回の史上最大のガンマ線のピーク時にも飽和しなかった。そして、そのピークの高さの決定には、ここ数年間頻発した太陽フレア時にLEPが観測していた太陽からのX線~ガンマ線のデータが有効に生かされたのである。

GEOTAILとほかの天文観測衛星の結果を合わせ、この天体は0.2秒間ほど大量のガンマ線を放射した後、続く約400秒間にはエネルギーの低いX線を放射したことが明らかにされた。その間に放射したエネルギー総量は、太陽が放出する全エネルギーの数十万年分に匹敵すると見積もられている。しかし、このX線やガンマ線は地球の大気で遮られるため、地上にいる人間の健康に影響が出る心配はないものであった。

同様の大爆発を起こした天体は、1979年に初めて観測されて以来、今回が3例目である。SGR1806-20の正体は、1,000兆ガウスという超強磁場を持つ中性子星と考えられている。その磁場の強さは、規則正しい電波パルスを出すことで知られる普通の中性子星の数百倍にも達する。普段から比較的エネルギーの低いガンマ線を断続的に放射しているが、数十年に一度大爆発を起こすらしい。まずはお手柄の観測だった。

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