第7章 はじまった大型の国際協力

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実験開始

3月29日からは赤外線望遠鏡(IRTS)観測、イモリの生物実験(BIO)が始まった。消耗の激しい液体ヘリウムを使うIRTSと、お産が待てないイモリを相手にするBIOの事情をEIWG(Experiment Investigators Working Group)で理解して貰い、先行が許された。

IRTSの望遠鏡開口部には地上で真空を保持するための蓋が取付けられている。この蓋は軌道上で火工品により切り離して放出する。蓋が放出できないと観測が果せないし、そればかりか、放出できずにシャトルの荷物室に収納した場合不意に放出されるとシャトルに危険をおよぼす。したがって蓋が放出できなければNASAは回収を認めない。十分な試験を行っていたものの、やはり一連托生の思いであった。IRTSは首尾よく蓋を放出し、陽よけ(サンシェード)を展開して、日に夜をつくデータ取得が始まった。日米の科学者は宝の山でつかみ取りをしている様子に見えた。

BIOもテレビ画像で産卵1個を確認。打上げが延びた時にはBIO実験担当者からイモリはもうあと何日でお産ですと迫られていただけに、栗木は心底ほっとした。そして4月下旬からは他の実験も始められ、8月末まで順調に進んだ。

SFUに搭載したIRTSの赤外線観測画像

SFUに搭載したIRTSの赤外線観測画像

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