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ISASニュース

「あかつき」プロジェクト ゴールド・メダル賞 特別賞受賞

No.422(2016年5月)掲載

 4月21日に読売大手町小ホールにて行われた、読売 テクノ・フォーラムによる第22回ゴールド・メダル賞 贈賞式において、金星探査機「あかつき」プロジェクトチームが特別賞を頂きました。賞は「探査機あかつきの金星軌道投入成功」に対して贈られたものです。審査をして下さった石井威望東京大学名誉教授はご講評の中で「Nature」のニュースに取り上げられた「あかつき」が撮影した金星画像をご紹介下さり、日本がこのように最初の惑星探査機を成功させたことを評価して下さいました。同賞はかつて「はやぶさ」プロジェクトチームに対しても与えられており、宇宙研としては二度目の特別賞受賞となります。

 もともとこの賞は若手の研究者の創造的研究に対して与えられるもので、代表である私の年齢はともかく、地球を飛び立ってまだ5年の「あかつき」が出しつつある、若々しい成果が評価されたものと考えております。また、恐らく5年前の周回軌道投入失敗がなければ受賞はなかったとも考えられ、つまずきつつも、失敗を乗り越えていく宇宙科学の特質が審査員の方々の目に留まったものと思います。

 贈賞式に続く祝賀会には多くの方が駆けつけて頂きました。西田篤弘先生、上杉邦憲先生、向井利典先生、小野田淳次郎先生と「あかつき」の立ち上げの頃から見守って下さった先生方においで頂けたのは大変な喜びでした。また川口淳一郎「はやぶさ」衛星主任にもお祝い頂けましたし、文部科学省の田中正朗局長にもおいで頂けました。さらにうれしかったのは、15年前撮像カメラの設計に加わって頂いた光学機器の技術者の方々をはじめ、ミッションの初期に関わって下さった方々が、今「あかつき」を支えている現役と一緒に祝賀の席に加わって下さったことです。多くの人々に支えられた「あかつき」がチームとしてゴールド・メダル賞を受賞できたことをしみじみと感じた一日でした。我々を宇宙研の一員として誇らしい気持ちにして頂いた皆様にプロジェクトチームを代表してお礼を申し上げます。

(中村 正人)

4月21日 贈賞式の様子

4月21日 贈賞式の様子