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ISASニュース

第8回「宇宙科学奨励賞」、山口弘悦氏に授与

No.421(2016年4月)掲載

 公益財団法人宇宙科学振興会では、毎年、宇宙科学分野で優れた研究業績を挙げ、宇宙科学の発展に寄与した若手研究者に「宇宙科学奨励賞」を授与しています。2008年の創設から8回目となる2015年度は、NASAゴダードスペースフライトセンター研究員でメリーランド大学カレッジパーク校 助教(兼任)の山口弘悦(やまぐち・ひろや)氏に授与されました。授賞の対象となった研究業績は、「『すざく』衛星を用いたIa型超新星の起源解明と、宇宙における非平衡プラズマ物理学の開拓」です。表彰式は、3月10日に霞が関ビル内東海大学校友会館で、ご来賓、関係者列席のもと開催されました。

 我が国5機目のX線天文衛星「すざく」は、2005年の打上げ以来、さまざまな観測成果を挙げてきました。山口氏は、「すざく」搭載のX線CCD検出器について、打上げ前の検出器開発、地上較正試験、軌道上性能評価・観測運用に一貫して関わり、その性能を極限まで高める努力を続けてこられました。そして、その性能を最大限に生かしたデータ解析を行い、インパクトが大きく世界的にも注目度の高い成果を数多く挙げてこられました。山口氏の貢献は、「すざく」の国際的な評価を大いに高めたと同時に、宇宙科学だけでなく基礎物理学全般に対して大きな進展をもたらしたといえます。

 当振興会は今回受賞された山口氏に心からお祝い申し上げるとともに、X線天文学のさらなる発展の中で山口氏のいっそうのご活躍を期待しております。

 なお、山口氏は表彰式において受賞記念講演を行いましたが、授賞の対象となった研究についてはいずれ『ISASニュース』で紹介いただく予定とのことですのでご期待ください。

(公益財団法人宇宙科学振興会 事務局長補佐 佐々木 進)

左より、奥村直樹JAXA理事長、山口弘悦氏、西田篤弘元宇宙研所長、松尾弘毅 元宇宙研所長。

左より、奥村直樹JAXA理事長、山口弘悦氏、西田篤弘元宇宙研所長、松尾弘毅 元宇宙研所長。