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ISASニュース

研究成果を最大化するための組織改編

No.421(2016年4月)掲載

 宇宙研では、これまでも多くの関係者の尽力でプロジェクトを実行し、数多くの研究成果を挙げてきましたが、よりいっそうの成果を挙げるために、研究所としていくつかの取り組みを行っています。その一つである組織の見直しの状況をご紹介します。

 一つ目は、他部門との連携の強化です。ISS(国際宇宙ステーション)科学組織を有人宇宙技術部門と、専門技術組織を研究開発部門と、それぞれ融合を図って組織を一体化させ、宇宙科学をJAXA全体で実行する体制としました。それにより、職員が宇宙科学にとどまらない幅広い知見を身に付けるとともに、今までより多くの職員が宇宙科学の実行に参加することになりました。その結果、プロジェクトの企画や実行をより進めやすくなりました。

 もう一つは、研究所内の役割分担の明確化と宇宙科学プロジェクト企画実行体制の強化です。具体的には、研究総主幹は、研究主幹と共に研究系の学術研究の先導、人材育成などの役割を担い、また宇宙理学・工学委員会と共に新たなプロジェクト企画に携わって先導的な研究を担うことを、明確化しました。宇宙科学プログラムディレクタは、プロジェクトの準備から終了までに責任を負う役割とします。宇宙科学プログラム室は、プロジェクト支援業務とシステムズエンジニアリング業務を一体化して強化し、プロジェクト準備の役割も担い、宇宙科学プログラムディレクタを支えます。

 さらに研究基盤・技術統括は、小型飛翔体や施設設備による実験機会の提供、衛星運用・研究データの提供を行うなど、研究基盤を充実させる活動に責任を持つことを明確化しました。また、プロジェクトチーム以外の組織を研究基盤・技術統括のもとに集約した上で、研究基盤のいっそうの充実を図るため、探査データの高次処理、深宇宙に係る追跡基盤技術、精密機械加工、精密測定技術などをそれぞれ行う組織を新たに設けました。

 科学推進部については、研究・プロジェクトを効率的かつ柔軟に支えるために大学共同利用課を廃止し、大学と大学以外との業務縦割りを排除して、部全体で大学共同利用システムを支える体制としました。

 以上のように、2016年度からは、研究所内外で宇宙科学の研究成果を挙げられる体制を敷き、国民の皆さんの期待に応えていきたいと考えています。

(佐々木 宏)