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ISASニュース

第16回「宇宙科学シンポジウム」開催

No.419(2016年2月)掲載

 第16回「宇宙科学シンポジウム」が1月6〜7日に相模原キャンパスで開催されました。宇宙研で開催されるシンポジウムとしては最大規模であり、理学・工学分野の研究者が毎年年始に相模原キャンパスに集まり、宇宙科学について広く議論する場とされています。今回は2日間で延べ600人以上の参加があり、口頭で40件、ポスターで220件の発表がありました。  初日は、宇宙科学プログラムの最新トピックスを集めた特別セッションから始まり、X線天文衛星ASTRO-H、小惑星探査機「はやぶさ2」、金星探査機「あかつき」、小型月着陸実験機SLIMについて、それぞれご講演いただきました。また企画セッションとして火星衛星探査計画(MMX)を取り上げ、ミッションの内容や検討状況についてご紹介いただきました。

 初日の午後は、二つ目の企画セッションとして「宇宙科学プログラムの将来戦略」と題し、宇宙工学、天文宇宙物理、太陽系探査それぞれの将来戦略についてお話しいただきました。さらに、中須賀真一先生(東京大学)から宇宙科学プログラムへの期待についてご講演いただくとともに、各分野の若手研究者からそれぞれが描く将来像についてお話しいただきました。宇宙理学・宇宙工学委員長の司会によるパネルディスカッションでは、小型や小規模ミッションへの期待と戦略、求められる探査技術、公募提案・評価プロセスのあるべき姿など、これからのミッションを育てるに当たって重要となる話題が次々と挙がり、会場の参加者も含めて活発な議論がなされました。

 2日目には一般セッションとして、現在活躍中の各プロジェクトの報告や、プログラム化を目指す各計画の検討状況などについて、それぞれのチームから発表がありました。また、今回のシンポジウムでは第2回「宇宙科学研究所賞」の授賞式があり、末松芳法先生(国立天文台)、安藤真先生(東京工業大学)、廣川二郎先生(東京工業大学)が表彰されました。

 シンポジウムのプログラムは関係する多くの皆さんとご相談して構成しましたが、宇宙科学の将来についてはまだまだ議論すべきことも多く、この宇宙科学シンポジウムにおけるコミュニティ内外の議論により、いっそう魅力的な宇宙科学プログラムの創出につながるように発展していければと思います。最後に本シンポジウムの開催にご尽力いただきました宇宙理学・宇宙工学委員長、関係者の皆さまに、この場を借りてお礼申し上げます。

(第16回宇宙科学シンポジウム世話人 野中 聡、齋藤義文、足立 聡、村田泰宏、田中孝治)

白熱するシンポジウムの様子

白熱するシンポジウムの様子