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ISASニュース

X 線天文衛星ASTRO-H 機体の報道公開

No.417(2015年12月)掲載

 11月27日(金)、筑波宇宙センターにて、X線天文衛星ASTRO-Hの機体が報道関係者に公開されました。

 ASTRO-Hの質量は約2.7トン、観測時の全長が約14mで、日本が打ち上げてきた天文衛星の中でも最大級の大きさです。銀河団においてダークマターの重力に閉じ込められた高温プラズマやブラックホールの周辺、超新星爆発など熱く激しい宇宙に潜む物理現象を解明することを目指します。そのために、X線光子のエネルギーを超高精度で測定できるマイクロカロリメータを搭載しており、また、複数の検出器を組み合わせた幅広いエネルギー帯域を同時に観測する能力にたけています。

 機体の報道公開には、テレビ、ラジオをはじめ23社、34名の報道関係者の参加がありました。高橋忠幸プロジェクトマネージャによるASTRO-Hの科学目標や衛星の特徴、搭載された観測機器などについての説明の後、3班に分かれてクリーンルーム内の機体を実際に取材していただきました。

 機体公開終了後も高橋プロマネに加え、開発に携わったプロジェクト関係者への取材や質問が終了予定時刻ぎりぎりまで続きました。

 今後ASTRO-Hは、12月上旬に種子島宇宙センターへと移送され、射場での試験を経て、H-IIAロケット30号機により打ち上げられる予定です。

(生田ちさと)

報道関係者への説明の様子

報道関係者への説明の様子