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ISASニュース

第14回「君が作る宇宙ミッション」(きみっしょん)開催

No.414(2015年9月)掲載

 8月3日から7日まで、高校生向け体験型イベント「君が作る宇宙ミッション」(きみっしょん)を相模原キャンパスにて開催しました。「自ら考え、自ら決定し、自ら作業する」をモットーに、高校生が主体的に将来の宇宙ミッションの立案・検討を行うものです。課題作文により選抜された高校生25名が4班に分かれ、総勢46名の大学院生のサポートのもとでミッションの立案に取り組みました。4日目夕方に行われた最終発表会では30名以上の職員の方々に参加いただき、時間が足りないほどに活発な質疑応答が行われ、アンケートでも厳しい指摘や温かいコメントを頂きました。高校生がこれほどの大人数の研究者と密接に関わり合えることは、ほかにはない、きみっしょんの大きな特長です。

 今年度のきみっしょんでは、「将来を考えるきっかけを与える」ことを目標とし、さまざまな取り組みを行いました。津田雄一 准教授の特別講義では、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」や小惑星探査機「はやぶさ2」を例に、研究者がどのように宇宙ミッションをつくるのかを講義していただきました。新しい取り組みとして、大学院生スタッフが自分の研究を紹介する「院生ミニ講義」や、スタッフが高校生から進路相談を受ける「座談会」を設けました。普段の高校生活では出会うことのない大学院生・研究者との議論や対話は、将来を考える上で貴重な経験となったはずです。

 きみっしょんには、理学・工学の大学院生がスタッフとして参加しており、大学院生間の貴重な交流の場ともなりました。「どのように高校生のミッションづくりをサポートすべきか」を半年以上かけて徹底的に議論してきたことは、自身の研究を見直すことにもつながっており、駆け出しの研究者である我々大学院生スタッフにとっては確実に大きな成長の機会となりました。宇宙科学研究の現場である宇宙研の強みを生かした宇宙教育イベントとして、きみっしょんをこれからも継続してほしいと思います。

 最後に、きみっしょんの実施・運営にご協力いただきました職員・関係者の皆さまに感謝申し上げます。

(第14回君が作る宇宙ミッション事務局 外岡学志、馬場俊介、増田紘士)

相模原キャンパスのM-Vロケット前で記念撮影

相模原キャンパスのM-Vロケット前で記念撮影