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ISASニュース

ジオスペース探査衛星ERG、一次噛合せ試験

No.412(2015年7月)掲載

 ジオスペース探査衛星ERGは、4月から実施していた一次噛合せ試験が6月18日に無事終了しました。一次噛合せ試験は、機械的インターフェースおよび電気的インターフェースの整合性確認、電磁適合性確認が主な目的です。ERGは、磁気圏観測衛星「あけぼの」、磁気圏尾部観測衛星GEOTAIL、火星探査機「のぞみ」、月周回衛星「かぐや」、水星磁気圏探査機(MMO)など、これまでの宇宙プラズマを計測する衛星・探査機と同様、宇宙空間の微弱な電磁場変動、プラズマ変動を計測するために、衛星システム全体に対して非常に厳しい電磁気的にクリーンな環境条件を要求しています(例えば、地上で観測する地磁気の約1万分の1の精度で磁場を観測しなければならない)。この条件を満たすことがミッション達成に極めて重要なポイントですが、一次噛合せ試験の結果、条件が無事に達成できていることが確認できました。

 一次噛合せ試験は、来年度の打上げを目指し、2ヶ月弱という非常に短い期間で実施しました。衛星システム全体を初めて結合して試験するということで、いくつかの課題が見つかりましたが、土・日曜日を返上して関係者一丸となって作業に臨み、ほぼ予定通りに試験を終了することができました。関係の方々の多大なご尽力、ご家族の方々の深いご理解があってのことと、この場を借りて感謝の気持ちをお伝えさせていただきます。

 今後は今秋からの開始を予定しているフライトモデル(FM)総合試験に向けて、一次噛合せ試験の課題を解決し、準備を着実に進めてまいります。引き続きERGプロジェクトにご協力・ご支援をお願い致します。

(篠原 育)

磁気シールドルーム内で電磁適合性試験を実施中のERG

磁気シールドルーム内で電磁適合性試験を実施中のERG

ERGのシステム全体が組み上がった様子

ERGのシステム全体が組み上がった様子