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ISASニュース

第15回宇宙科学シンポジウム開催

No.407(2015年2月)掲載

 第15回宇宙科学シンポジウムが、1月6〜7日に相模原キャンパスで開催されました。宇宙科学のすべての分野の研究者が一堂に集う年始恒例の一大行事として、関係者のカレンダーに完全に定着した感があり、今年も2日間で延べ600名程度の参加となりました。口頭40件、ポスター306件の発表が行われ、最新の科学成果や新規技術、および将来のミッション計画などについて、活発な議論や情報交換がなされました。

 シンポジウムは、昨年末に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」の最新状況に関する講演から始まりました。初日の午後には、宇宙政策委員会委員長代理の松井孝典先生に、新しい宇宙基本計画について特別講演をしていただきました。松井先生は、講演の後も企画セッションに残っていただき、我々宇宙科学コミュニティに激しい叱咤激励を下さいました。

 さて、その企画セッションですが、今年は「今後の太陽系探査」というタイトルで実施しました。「宇宙科学・探査ロードマップ」で掲げられた考え方を背景に、最新の公募型小型計画の候補ミッションの提案紹介、イプシロンロケットの強化型形態や将来地上系といったインフラの構想、探査機のリソース検討や技術展望、各探査分野のサイエンス戦略など、多岐にわたる議論が行われました。昨今の流れで、いかに「プログラム化」を魅力的かつ持続可能に仕込んでいくかが、議論のキーワードでした。シンポジウムでの議論をスピーディにどれだけ深めていけるかが、太陽系探査や宇宙研にとって死活的に重要であるとの認識を共有できたと思います。

 さて、当シンポジウムの規模は年々拡大し、かなり限界に達しています。今年も、ポスターボードをレンタルでやりくりしたり、裏ではいろいろばたばたがありました。時間的な制約もきつく、多くの口頭発表の申し込みに対しポスターに回っていただくようお願いするのは心苦しい限りです。宇宙研の看板シンポジウムにふさわしい姿でさらに発展していけるよう、今後ともぜひ皆さまのお知恵を頂ければ幸いです。

 最後に、本シンポジウムの開催にご尽力いただいた宇宙理学・工学委員長ほか関係者の皆さま、およびお手伝いいただいた各位に、世話人一同、感謝申し上げます。

(宇宙科学シンポジウム世話人代表:福田盛介、世話人:足立 聡、齋藤義文、野中 聡、村田泰宏)