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ISASニュース

第11回 アジア大洋州地球科学連合大会

No.402(2014年9月)掲載

 夏の北海道といえば、青い空と広がる大地、爽やかな風とおいしい海の幸・山の幸、さらに札幌では大通りの広々としたビアガーデン……。近年ではアジア諸国からも魅力的なリゾート地として、多くの観光客がやって来るそうです。

 そんな7月の札幌で、第11回を迎える「アジア大洋州地球科学連合大会(AOGS)」が開催されました。AOGSの大会は毎年夏、学会事務局のあるシンガポールとアジア大洋州諸国の持ち回りで開催されています。昨年は初めての南半球オーストラリア、そして今年は初めての日本での開催となりました。公式の参加者数はまだ発表されていませんが、事前登録者数は初めて3000名を超え、AOGSの大会としては過去最多だそうです。約80の国と地域から参加があり、多い順に日本、韓国、台湾、中国、インドでした。欧米とアフリカ大陸からも多くの参加がありました。

 開催セッションは、大気科学、生命地球科学、水文学、学際的地球科学、海洋科学、惑星科学、太陽・地球圏科学、固体地球科学の各分野に分かれ、合計で約170(合同セッションは1とカウント)でした。私は主に、自分が発表と司会を担当した惑星科学のセッションに参加して、月周回衛星「かぐや」のデータを総合的に解析して初めて得られた月の進化モデルや、間もなく打上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」の観測計画などについての熱い議論に加わりました。

 次回は、3年ぶりのシンガポールでの開催。アジアの友人との再会や名物のチキンライスを楽しみにしつつ、来年も成果発表ができるよう頑張りたいと思います。

(岩田 隆浩)

ポスターセッションに参加する筆者。奥では一般市民向けに太陽観測衛星「ひので」の紹介が行われている。