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ISASニュース

第13回「君が作る宇宙ミッション」開催

No.402(2014年9月)掲載

 8月4日から8日まで、高校生向け体験イベント「君が作る宇宙ミッション」(きみっしょん)が相模原キャンパスで開催されました。きみっしょんについては毎年この欄でも報告していますが、高校生が1週間泊まり込みで宇宙ミッションの検討・立案作業を行い、それを通して研究者としての基本的態度「自ら考え・自ら決定し・自ら作業する」を学ぶというものです。今年も、北は青森から南は福岡まで、作文選考で選ばれた24名の高校生が、大学院生スタッフのアドバイスのもと、ミッション立案に取り組みました。今年のきみっしょんでは、例年大きな時間を費やしているテーマ選定を加速し、技術的検討にしっかり時間をかけるという狙いで、テーマの方向性(天体観測、生命探査、月面基地、長期有人航行)をあらかじめ与えてのスタートでした。しかし、張り切って難しいテーマを選んでしまったためか、かえってそれを消化するのに時間がかかってしまい、時間切れになってしまった感のある班もありました。どうすれば高校生の頭を最大限に回転させ、限られた時間の中で個性的なミッションを練り上げていくことができるかは、きみっしょんの永遠の課題です。運営スタッフも、さらに良いきみっしょんが実現するように努力を続けていきます。

 きみっしょんは、1週間で終わりではありません。有志は、来年春の日本天文学会ジュニアセッションに向けて、ミッション検討を続けます。帰宅直後から活発な議論が始まっている班もあるとのこと。それぞれのミッションをさらに発展させていくことを期待しています。そして何よりも、参加者の今後の進路に、きみっしょんの経験が生かされていくことを期待します。

 きみっしょんの実施に当たっては、宇宙科学振興会の援助を頂きました。また、講義・見学対応・議論へのアドバイス、運営支援など、さまざまな形でご協力いただきました職員・関係者の皆さまにお礼申し上げます。

(山村 一誠)

宇宙研OBの先生と議論する高校生