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ISASニュース

相模原キャンパス特別公開2014

No.401(2014年8月)掲載

 恒例の相模原キャンパス特別公開を7月25日(金)・26日(土)に開催しました。大変な暑さに見舞われましたが、来場者数は1万3560名(初日5922名、2日目7638名)と、昨年の1万3894名とほぼ変わらず。来場者アンケートには、特別公開に初めて来たという声も意外と多くありました。今年は約50ものブースが立ち並び、講演やセミナーも旬なテーマが選ばれており、盛況でした。特別公開全体への来場者の満足度は高かったといえるでしょう。

 第4会場のブース「イトカワの砂粒を見よう」にも注目が集まっていました。小惑星イトカワの微粒子は、可能な限り多くの方にご覧いただくため国立科学博物館や各地の展示希望団体に貸し出しているものもありますが、今年の特別公開では研究用に保存されている微粒子の一つを顕微鏡でご覧いただく形で初公開したのです。また普段、研究・管理棟の展示ロビーの象徴的存在となっている「はやぶさ」熱構造モデルは幕張メッセで開催中の「宇宙博2014」に出品中のため、代わりに武豊モデルと呼ばれている実物大模型の「はやぶさ」が来場者を迎えました。「はやぶさ」への熱狂的なブームは今では落ち着いていますが、来場者は思い出すように熱いまなざしを向け、「はやぶさ2」の話にも耳を傾けていました。

 相模原キャンパスの特別公開はほかのイベントでは得られない科学成果の情報量も多く、研究者や学生が直接語り掛けて質問にも応じるなど、来場者にとって貴重な機会となっています。難しい内容もありましたが、研究者の熱意は伝わります。研究現場の生の声を伝えることに熱心に取り組んできた阪本成一実行委員長は、出展者向けの説明会などで「テンションを高く保って来場者を迎えましょう」と号令を掛けていました。2日間実施の実現など、これまで特別公開をけん引してきた阪本教授は7月末をもって国立天文台に異動されましたが、特別公開ならではの企画やこれまで培われてきたノウハウは相模原キャンパスの財産です。今後も発展させていきたいものです。

(大川 拓也)

この精巧な「はやぶさ」実物大模型は、愛知県武豊町にある「ゆめたろうプラザ」のボランティアの皆さんが2ヶ月半をかけて延べ317名で制作された力作を、期間限定でお借りしているもの。