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ISASニュース

「宇宙学校・さくらい」開催

No.396(2014年3月)掲載

2月22日(土)に、「宇宙学校・さくらい」が、奈良県の桜井市立図書館にて開催されました。参加者は小学校3年生から6年生の子どもたちと保護者の方々で、約120人でした。

開校式では、宇宙学校校長の阪本成一先生のあいさつがありました。

1時限目は、「金星探査機『あかつき』、2年後の金星再会を待つ」のテーマで、佐藤毅彦先生の授業でした。夜空の中でも一番明るく、燦然と輝く金星について詳しく教えていただきました。「あかつき」の金星軌道投入失敗の原因や月周回衛星「かぐや」との違いなど、みんな興味津々の様子で、一生懸命メモを取っている姿が印象的でした。

質問コーナーでは、一斉に「はいはい」と元気に手が挙がりました。質問内容は、宇宙好きな子どもたちが納得できる高度なもので、先生とのやりとりも大人顔負けでした。次から次へと手が挙がり、積極的な姿勢が見られました。

2時限目は、「宇宙ステーションと宇宙実験」のテーマで、吉崎泉先生の授業でした。「おしっこは、再生して飲みます」「え−っ!」。衝撃的な裏話から始まりました。高度な水再生システムがあるので、とてもきれいな水に再生されると聞き、みんな感心していました。無重力の世界で実験や生活をするということは、物や人間の動きはどうなるのだろう……。質問コーナーでも、「こまを回したら?」「食事はどうやって取るの?」などに集中していました。宇宙飛行士になりたいという夢を持っている子どもたちですから、この時間も大いに盛り上がりました。

最後に3人の先生方が、子どものころのことや、JAXAで働くようになったきっかけを話してくださいました。都会で育った先生が、夏のキャンプで見た星の輝きに魅せられ感動したことが原点となったとのこと。そして、強く印象に残ったことをつかまえて将来につなげてほしいと、励ましの言葉で締めくくってくださいました。

出席してくれた子どもたちには、今日の授業の思い出が強く残ったことでしょう。この中から、将来の宇宙飛行士が出てくれるかもしれないと、うれしい予感もあった一日でした。ありがとうございました。

(桜井市立図書館 副館長/秋丸素子)

子どもたちと講師の真剣勝負は休憩時間も続く。