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ISASニュース

「宇宙学校・おきのえらぶ」開催

No.396(2014年3月)掲載

2月2日(日)、鹿児島県沖永良部島の和泊中学校内にあるあかね文化ホールにて「宇宙学校・おきのえらぶ」が開催されました。テレビでしか見たことのないJAXA宇宙科学研究所の方々がこんな小さな離島に来られるということで、当日は小学生を中心に100名以上の方が集まりました。

阪本成一校長先生による開校式で始まり、1時間目は野中聡先生による「宇宙を身近にするためのロケット」、2時間目は海老沢研先生による「エックス線で見るブラックホール」というテーマで授業を行っていただきました。野中先生の授業では、ロケットの仕組みなどの説明に加えて宇宙旅行についても話をされており、子どもたちは真剣に聞き入っていました。海老沢先生の授業ではブラックホールという謎の多いテーマについて説明していただき、子どもたちも不思議な世界に浸っているようでした。

それぞれの授業後の質問時間には「宇宙に行くには、いくら掛かりますか?」や「どうやったら宇宙飛行士になれますか?」など、子どもらしい質問が多く聞かれました。中には、先生方が答えに困ってしまうような質問もありましたが、野中先生も海老沢先生も、また阪本先生も、丁寧に子どもたちに分かるように説明してくださいました。

島の子どもたちは引っ込み思案なところがあるので、質問が出るか不安でした。しかし、予想以上に活発に質問をする子どもたちを見ていると、「本当に子どもたちは楽しんで授業を受けていたのだ。そして、この授業を受講したことで宇宙というものに興味を持ち始めている」と感じることができました。

また、私自身も今までは「宇宙」という言葉を聞いてもピンとこなかったのですが、すぐ近くに種子島という宇宙に一番近い島があること、そして近い将来には宇宙旅行がごく当たり前になってくるという話を聞いて、「宇宙」がものすごく近い存在だということに気付かされました。

今回の授業を受けたことで、子どもたちも「宇宙」をより身近に感じることができました。子どもたちの中にはJAXAの職員として働くことを夢見る子もいるかもしれません。今回の授業が子どもたちに大きな刺激と夢を与えてくださったと思います。小さな離島ではなかなか体験できない授業を提供していただき、本当にありがとうございました。将来、沖永良部出身のJAXA職員が地元で宇宙学校を開催してくれることを願っております。

(和泊町教育委員会事務局/末川貴彦)

子どもたちの質問に真剣に答える講師陣