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ISASニュース

子どもサイエンスフェスティバル出展記

No.396(2014年3月)掲載

子どもサイエンスフェスティバルは、実験や工作を通して科学の楽しさを体験できる催しとして、神奈川県立青少年センターと開催地区の教育委員会などが主催し、1年に数回開催されています。神奈川県内の教育機関・科学館・研究所・高校の科学部・地元企業・科学ボランティア団体・NPO法人などがさまざまな体験ブースを用意してこれに参加しており、JAXAも出展しています。

2013年度のフェスティバルは大和・相模原・藤沢・平塚の4大会が開催され、参加者数は計3234名でした。その多くは近隣の小学生ら親子連れで、JAXAの関係者とは初めて接する人がほとんどです。ここで相模原キャンパスの存在を初めて知り、興味を示してくださる方も少なくありません。広報・普及の観点からは、1000人規模のイベントに毎回出展できますし、地域連携の活動範囲を相模原だけでなく県内各地へと広げていく機会ですので、これら地元自治体が力を入れる教育普及の枠組みを積極的に利用しています。

JAXAブースでは、工作体験の新たな題材を試みています。宇宙構造物としての応用が研究されている一例として、圧縮に耐える棒構造を引っ張る力(tension)によって統合(integrity)して均衡を保つテンセグリティ(tensegrity)という構造体の概念を紹介し、輪ゴムとストローを組み合わせて実際につくってみるブースを用意しました。実は、小学生には輪ゴムの掛け方が難しく、簡単ではありません。それでもブースは作業に熱中する参加者であふれ、親子で共に手を動かしながら時間をかけて完成させていく工作体験の場となりました。重力に頼らない宇宙構造物の考え方に触れて、思わず夢中になった大人からの質問も相次ぎました。参加者からお礼の言葉をたくさん頂き、やりがいを感じるイベント出展でした。今後も宇宙に関心を持っていただけるような題材を携えて、各地へと出掛けます。

(大川拓也)

いつも盛況の宇宙研ブース。写真は2月11日の藤沢大会